阿部新監督とも“共闘”した元巨人イ・スンヨプの監督1年目が終了…その評価は?「落第点は回避」

一つ一つ振り返ってみると、残念な場面は多かった。しかし、大きく見れば悪くはなかった。「初心者らしい不器用さ」と「スーパースターらしい忍耐心」が同時に現れた一年だった。

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現役時代に千葉ロッテマリーンズ、読売ジャイアンツ、オリックス・バファローズに在籍し、今季プロ指導者初年度に145試合を指揮した斗山(トゥサン)ベアーズのイ・スンヨプ監督の話だ。

巨人の阿部慎之助新監督とは現役時代に共闘するなど、日本でも活躍を披露した指揮官は、「初心者監督という話を聞かないようにする」という言葉を就任の覚悟の代わりに監督1年目を戦い、レギュラーシーズンを74勝68敗2分、勝率0.521の10球団中5位で終えた。

昨季9位のチームをポストシーズン進出に導いた手腕は、ひとまず落第点を回避できる。

ただ、10月19日に行われたNCダイノスとのワイルドカード決定戦第1戦では、信頼していたはずの投手陣が乱打を浴び、9-14のスコアで敗退となった。

投手交代のタイミングやボール配球などに物足りなさを感じたのは事実だが、レギュラーシーズン8連戦を戦った疲労感を考慮すれば理解できる側面もある。

イ・スンヨプ監督が明かす“課題”「打撃指標があまりにも…」

若い選手を育てられなかったという一部からの非難の声もあるが、野手側ではイ・ユチャン(25)やチョ・スヘン(30)、キム・テグン(27)などが多少1軍でもプレーできる選手であることを証明した。

投手ではキム・ミョンシン(29)が中継ぎとして立場を固め、チョン・チョルウォン(24)やチェ・スンヨン(22)、キム・ドンジュ(21)などがさらなる成長の可能性を感じさせた。

選手1人を育てることも決して簡単ではない。監督が変わってすぐに成長できるのであれば、多くの球団がいわゆる長い暗黒期を経ても、追加金を渡してB+級のフリーエージェントを迎え入れる必要もない。

イ・スンヨプ監督
イ・スンヨプ監督

選手の成長は球団の哲学と戦力構成、該当選手の経験値と比例する。

球団との接点も指導者経験もない人が突如入り、泥沼に沈んでいたチームを1年で再建することは漫画でもなければそうできないことだ。そのような点で、今季5位という成績表は斗山の再建の可能性を示したものとみられる。

そのため、秋季キャンプが重要だ。春季キャンプで疲れず、完走できる体力を作らなければならない。

イ・スンヨプ監督は「打撃指標があまりにも下位圏だったので、投手に過負荷がかかった。打撃指標を引き上げるための方法を探さなければならない」と課題を指摘した。

数値だけ見れば監督の言うとおりだ。チーム打率9位(0.255)、打点最下位(565点)、出塁率8位(0.332)だ。塁に出てこそ点を取ることができるのに、最初のボタンから掛け違えていた。

選手に任せるマネジメントだけでは強いチームに跳躍しにくいということを確認したシーズンだ。監督が方向性を示し、全員が一つの方向に進むにあたり、選手たちの創意力を加える運営が必要だ。ただ遠くに飛ばすことだけがすべてではないという事実を選手が認められるよう、マインドを変えることも必要と言える。

ベテランに対する漠然とした信頼も、イ・スンヨプ監督が捨てなければならない課題だ。

個人に依存するチームは強くはいられない。チャンスを与えても期待に応えられないベテランは、ベンチか2軍に退けることが正しい。「高額年俸者のため、不振でも1軍でプレーする」という認識が生じると、リーダーシップに亀裂が入りかねない。

選手に対する未練によって敗れた試合も少なくなかった。打線低迷の中で、さらに3~4勝はできたシーズンだったということに異論はない。

短いオフを過ごし、斗山は利川(イチョン)で来季の準備を始める。今季は特にハッキリとしたカラーもなく、悪く言えば「いい加減な」シーズンだった。そんなチームを来季はどんなカラーで染め上げるのか、イ・スンヨプ監督の悩みが早くも深まっている。

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