韓国プロ野球KBOリーグのSSGランダースが、2軍で発生した暴行事件を受けて“強硬策”とも言える後続措置を発表した。
球団は「再発を防ぐために選手団の強化に努める」と伝えた。つまり、“統制”が多くなるというわけだ。はたしてプロ球団がここまですべきなのだろうか。
韓国野球委員会(KBO)は7月19日、後輩選手に過酷行為を行った投手イ・ウォンジュン(25)、内野手イ・ゴヨン(26)、外野手チェ・サンミン(23)に対する審議を行い、懲戒を決定した。
後輩をバットで暴行したイ・ウォンジュンは72試合出場停止で、そのほかイ・ゴヨンとチェ・サンミンは30試合出場停止だ。イ・ウォンジュンはすでにSSGから放出された状態のため、新たな所属先を見つけた場合に懲戒がスタートする。
SSGは直ちに謝罪文を発表。「ファンに謝罪する。KBO賞罰委員会の結果を謙虚に受け止め、類似事故の再発防止に向けて骨身を削る努力をする」とし、再発防止対策も同時に打ち出した。
あらゆる対策が立てられた。
まず、1・2軍すべての選手に対し、品位損傷行為に対する認識と行動水準を診断する。また、これまで行ってきた選手教育や実態チェックの方式、宿舎運営方案など、選手管理や運営全般について再チェックする。
これを基に、コーチングスタッフを含む1・2軍全選手の品位損傷行為に対する基準と認識を社会的目線に合わせられるよう、規定を取制度を強化することにした。
必要なことだ。これまでは「アスリートだから」という理由で、ある程度考慮されてきた部分もあった。先輩後輩の関係性が厳格でなければならないという声もあった。
一般人と違い「特殊だ」という認識が敷かれてきた。ただ、これからはその認識を改めなければならないという結論が下されたわけだ。
SSGの再発防止対策の一環として、「品位損傷根絶誓約書」が作成される。選手たちは毎年、契約する時点でそれに署名する。
また、2軍選手への教育及び実態点検を毎月行い、報告プロセスも強化する。集合する場合も“事前申告制”とすることにした。目的や場所、時間等を違反しないよう、球団が選手を強力に管理する。
「あつものに懲りてなますを吹く」とも言うべき事例だ。
SSGは前身のSKワイバーンズ時代の2020年にも、先輩選手が後輩選手に過酷行為を行ったことがあった。ただ、当時は球団がやり過ごそうとして処分を受けた。そして、再発防止を約束していたが、3年経って同じ事件が再び起きてしまった。
SSGは事態の深刻さを認知している。だからこそ、強力な制御をかけた。書類で明示し、月ごとに点検し、規定も強化する。
選手たちとしては、急に自分たちのことを球団がコントロールしようとしているように見えるかもしれない。「どうしてここまでするんだ」とも思うかもしれない。
ただ、選手たちは反省に加えて恥ずかしさを抱かなければならない。
「誤った行動をしない」という誓約書に署名をしなければならない。「サインをしたのだから、あなたが責任を取りなさい」という意味だ。だが、このようなことがなくとも、初めから過酷行為をしなければ済んだ話ではないだろうか。
これからは毎月、実態把握のために調査を受けなければならないし、選手同士が集まる際も予め球団に伝えなければならない。
SSGは選手たちの“考え”から変えると乗り出した。「品位損傷に対する認識が一般の方々と明確に異なる。この差を縮めることに集中する」と説明した。ほかの球団だからと言って大きく変わるはずがない。
選手全員が模範的な姿を見せ、良いパフォーマンスを披露できれば、このような規制は再びなくなる可能性があるだろう。
しかし、そもそもこのようなことが起こらないように選手たちはしなければならなかった。
大の大人たちなのだから、他人に言われなくても“自分たち”で上手くやらなければならない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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