世間を騒がせた不祥事でトップがついに刀を抜いた。代表チームの運営規定に手を加えたのだ。
核心は“厳罰主義”だ。「剥奪」という単語が2度も登場した。
なぜここまで来てしまったのだろうか。「そこまですべきことなのか」とも思ってしまうこともある。
ただ間違いないのは、いずれも結果的に自分たちが招いたということだ。
韓国野球委員会(KBO)は7月12日、2023年第3次理事会の結果を発表した。
主な内容は2次ドラフトの復活だった。2019年以来4年ぶりに2次ドラフトが再開される。
そして、国家代表運営規定の改善案も明らかになった。
まず、アジア大会の国家代表補償ポイントとは別に、大会参加によって獲得できない現役選手の登録日数を補償する。
来る9月に杭州アジア大会が開催されるが、この期間にプロ野球のシーズンが中断されることはない。代表に選ばれた選手たちはプレーしたくてもできない。それに対する補償策だ。
これが“アメ”だとするならば、“ムチ”も掲げた。KBOは次のように発表している。
「代表招集期間中、試合以外に品位を傷つける行為で社会的物議を醸した場合、KBO規約第151条の品位損傷行為に対する制裁とは別に、事案によっては1年以上の代表参加資格剥奪、当該大会で獲得した国家代表褒賞ポイント剥奪などを懲戒することにした」
整理すると、代表で不祥事やスキャンダルなどを起こした場合、代表資格を剥奪し、すでに受け取っていたポイントなども取り立てるという意味だ。極端に言えば「事故を起こすな」というメッセージだ。
この決定の発端と言えるのが、2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)だ。
当時、韓国は3大会連続1次ラウンド脱落という衝撃的な結果を受け入れなければならなかった。「最低でもベスト4」という目標を掲げていたにもかからず、思い通りにはならなかった。
そこに飲酒騒動まで加わった。大会期間中、選手が夜明けまで酒宴を繰り広げたという妙な暴露が登場し、真相調査まで進められた。
結局、キム・グァンヒョン(34、SSGランダース)、チョン・チョルウォン(24、斗山ベアーズ)、イ・ヨンチャン(34、NCダイノス)の3人が大会期間に外部でお酒を飲んでいたことがわかった。
試合当日まで飲酒していたわけではなく、試合のない日の前日の出来事だった。
KBOは当該の選手たちに社会奉仕と制裁金の懲戒を下した。同時に、「今後は国家代表運営規定をより細分化し、再発防止のために徹底的に準備し、努力する」と明らかにした。その結果が今回出たというわけだ。
世の中は変化した。「少しぐらいお酒を飲んでも良いだろう」が通じない時代がやってきた。
「自分が応援する選手たちが“聖人君子”になることを願っている」という人もいるほどだ。選手としては過酷と言えば過酷だろう。
国家代表は光栄な場だ。誰もが選ばれるわけではない。文字通り大韓民国を代表する。当然、正しい品行は必須だ。
酒は飲める。問題が起きれば、処分を甘受しなければならないのも正しい。全員が成人であり、また個人事業主でもある。
成績が多少良ければ、これほどまでに大きな問題にはならなかったかもしれない。だが今回、「野球もできないくせに酒は飲むのか?」という視線が生まれてしまった。
世の中の目が厳しくなり、何かにつけて批判する人も増えた。苦しくて怒りは溜まる一方だが、解決するところがない。批判を越えて非難が飛び交う理由はここにある。
選手たちもこのような傾向を知らないはずがない。「最近はニュースを見るのが怖くなった。インターネットもあまり使わなくなる」という。
ところが、国際大会の期間に飲酒をしていた事実が発覚した。問題視すれば問題になるものだ。
だが、いずれにしても結局は自分たちが自ら招いてしまったことだ。
自ら模範的に代表生活をし、結果を出していれば、状況はまた違ったかもしれない。「野球さえ上手くやればすべてが許される」というマインドは捨てなければならない。
これまでKBOの支援を十分に受けてきたのは事実だ。登録日数の補償など、大会に合わせてリーグ全体で全面的に支援を行ってきた。
そんなKBOがついに「剥奪」を口にした。このまま“アメ”だけを使うわけにはいかないという結論が下されたようだ。
いずれにせよ新たな規定は誕生した。それを再びなくすことは難しい。今からでも選手たちが自覚を持ち、より良い姿を見せなければならない。当然、優れた成績を残すことは必然だ。
彼らは「なぜ自分たちにそこまでするんだ」と言うかもしれない。しかし、耐えなければならないことだ。
野球は韓国国内で最高の人気スポーツだ。数百万人の観客が球場を訪れる。テレビでも各メディアを通じてほぼ毎日露出されている。
何より、選手たちは数億から数十億ウォンの年俸を受け取る。ほぼ公人と言ってもおかしくない存在だ。であれば、他人に模範を示す必要がある。
KBOは今回、“厳罰”というカードを取り出した。その代わり、KBOも今後は多少動く必要がある。「品位損傷」と曖昧に定義することではない。実定法のように、より細かく明確な何かがなければならない。
KBOのホ・グヨン総裁は、就任式で「4不」を掲げた。飲酒運転、八百長、性犯罪、薬物使用を禁止事項に定め、選手たちに特に守ってほしいと頼んだ。
飲酒運転の場合は確実な規定を設けた。血中アルコール濃度が免許停止に該当すれば70試合出場停止、免許取消に該当すれば1年間の失格処分を下す。
2回目の飲酒運転発覚時には5年の失格処分、3回以上の場合は永久失格処分を決定した。別途の賞罰委員会を設けず、直ちに制裁が科される。
もちろん、飲酒と飲酒運転は次元が違う問題だ。普段なら酒を飲むこと自体がとやかく言われることはない。
ただ、国家代表招集期間であれば違う方向に進む必要もある。「品位損傷」のラインをどこに設けるかがカギとなる。
感嘆ではないが、明確にしなければならない。でなければ、ただただ不毛な議論だけが加重されかねないからだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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