ベント監督は帰国直後に行われた会見で、「サッカーだけではなく、人生で何かを始めるときに重要になるのが信頼だ。選手たちに“これが最高のスタイル”だと最初から説明し、選手たちが信頼を持ってよくついてきてくれた。だからこそ(ベスト16進出が)実現可能だった。私は我々が使用としていること、徹底した準備、そして選手たちを信じながら前に進んだ」と、韓国を率いた4年間を振り返った。
最も記憶に残る瞬間にはグループステージ最終戦のポルトガル戦を挙げた。前節ガーナ戦のレッドカードでベント監督がベンチ入りできなかったこの試合で、韓国はポルトガルに2-1の逆転勝利を収めた。ただ、決勝トーナメント進出には裏で行われているガーナ対ウルグアイの試合結果を見守らなければならなかった。
結局、ガーナに2-0でリードしたウルグアイが追加点を挙げられなかったことで、総得点で上回った韓国がグループ2位でベスト16入りを果たした。
「一瞬だけを挙げることは容易ではない」とベント監督は話しつつも、「ポルトガルに勝利し、ガーナ対ウルグアイの結果が出たときが一番うれしかった。ベスト16という目標を達成したからだ」と答えた。
ただ、ベント監督はカタールW杯を最後に韓国を去る。決勝トーナメント1回戦でブラジルに1-4で敗れた試合後、ベント監督は記者会見の場で韓国サッカー協会(KFA)と再契約しない意思を明らかにした。今年9月の時点で決定を下したという。
「実際、惜しい部分はあるが、決定はしようとする意志だけで実現するものではない。さまざまな要素が絡んでいる」と伝えたベント監督は、「選手たちは最高の姿を見せてくれた。幸運があることを願う。4年間、一緒に過ごした時間が光栄だ」と選手を称えた。
“後任の監督に伝えた言葉はあるか”という質問に、ベント監督は首を横に振った。
ベント監督は「次の監督に助言をするのは適切ではない」としつつも、「韓国サッカー協会が最高の決定をするだろうが、選手たちが最適の状態で、最も良いコンディションで試合ができるように支援することが重要だと思う。ピッチ内も重要だが、外の状況も重要だ」と意味深げに語った。
ベント監督にとって韓国は特別な記憶の残る国になるだろう。現役時代に出場した2002年日韓W杯では韓国に敗れグループステージ敗退の痛みを味わったが、その20年後には指導者として韓国を率い、グループステージ最終戦で母国ポルトガルを下してベスト16進出という成果を出した。
「韓国という国は私の経歴に常にかかわってきた。もう私の人生、記憶でも韓国は常に残っていると思う」とベント監督は伝えた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.