3月のAマッチ(22日ボリビア、26日コロンビア)を控えて、韓国代表パウロ・ベント監督の頭の中が複雑になっている。ベテランの代表引退に続き、負傷者まで続出しているからだ。
アジアカップ2019を最後に、韓国代表の中盤を担っていたキ・ソンヨン(ニューカッスル)とク・ジャチョル(アウグスブルク)が代表引退を宣言した。未だに高いレベルでプレーするキ・ソンヨンは事実上、代替不可能な選手である。ク・ジャチョルも経験が豊富で、代表チームの大きな力になってきた。
ベント監督は今、そんな2人を除外して代表チームを作らなければならない。
さらに韓国代表で第3のゴールキーパーの役割をしていたキム・ジンヒョン(セレッソ大阪)も、代表引退を示唆した。キム・ジンヒョンはベント監督就任後、一度も欠けることなく韓国代表に招集された。
キム・スンギュ(ヴィッセル神戸)とチョ・ヒョヌ(大邱)がいるため、昨年9月のAマッチに出場したのがすべてだが、“ゴールキーパー三銃士”の軸を担当してきた。ベント監督は、キム・ジンヒョンの空白を埋める他のゴールキーパーを見つける必要がある。
ここに負傷者まで続出して、ベント監督の構想はさらに複雑になった。
守備では右サイドバックのイ・ヨン(全北現代)が、アジアカップの負傷から回復していない。イ・ヨンはKリーグ開幕戦に欠場しており、今後1カ月ほど試合に出場できないという。イ・ヨンはベント監督体制で、不動のレギュラーの座を守ってきた。1986年生まれで今年33歳になるが、ベント監督就任後、Aマッチ11試合に出場して健在を示した。
ベント監督はこれまで右サイドバックに、イ・ヨンとキム・ムンファン(釜山)を選抜してきた。一度もその招集に変化を与えたことがない。キム・ムンファンは招集が可能だが、次善の策を見つけるのは簡単ではなさそうだ。
泣きっ面に蜂で、FWファン・ヒチャン(ハンブルク)もハムストリングの負傷で、3月のAマッチに招集できないという診断を受けた。代表チームのポジション全体で、小さくない空白が生じている状況だ。
一方で、ク・ジャチョルが去った攻撃的MFの輪郭は明らかになってきた。