韓国では、新型コロナのオミクロン株検出率が1週間で50%台から80%に急増した。オミクロン株は現在、国内事例の80%、海外流入事例の95.8%を占め、優勢株へと置き換わっている。ほかにも、新たな変異株のステルスオミクロン株(BA.2)も発生しており、未だ終息が見えない状況だ。
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1月31日、韓国の中央防疫対策本部によると、1月第4週目(1月23~29日)のオミクロン株検出率は1月第3週目比29.7%上昇し、80.5%と確認された。1月第3週目は50.3%だったが、翌週に急上昇し、検出率はわずか5週間で80%を突破した。
海外から流入したケースも、大半がオミクロン株と確認された。1月29日0時基準では、海外流入事例の95.8%に当たる1856件がオミクロン株であることが分かった。
しかし、オミクロン株の危篤率は0.42%、致死率は0.15%となっており、デルタ株よりも遥かに低い。
今回のデータについて、イ・サンウォン中央防疫対策本部疫学調査分析団長は、「オミクロン変異株拡散で、先週1万人以上の患者が発生したが、死亡者と重症者は減少した」とし、「オミクロン変異株の方が、これまでの新型コロナと比べて伝播力ははるかに高いが、重症率が低いのはもう明確だ」と述べた。
そして、ステルスオミクロン株も韓国国内で初めて確認された。PCR検査において、ほかの変異株とうまく判別できないことから“ステルス”オミクロンと呼ばれており、デンマーク、イギリス、インドなどで増加している。
中央防疫対策本部はステルスオミクロン株について、「現在までオミクロン株とは別の特性情報が確認されておらず、調査を続けている」と説明するにとどまった。
これに先立ち、海外入国者の4.5%がステルスオミクロン株に感染していると発表していたが、韓国でも6件が発生したと同日明らかにした。1月以降、韓国で確認されたステルスオミクロン株の感染事例は、海外流入25件を含めた計31件だ。
防疫当局はオミクロン株の拡散に対応するため、新型コロナの診断検査体系を転換する。重症化の危険性が高い高齢層などに対してPCR検査を優先的に実施し、早期発見・治療を施す予定だという。
なお、1月25日には飲食業を中心とした約300人もの自営業者が韓国国会前に集結し、頭を丸刈りにして行動制限への抗議を実施。現在韓国では、7人以上の会食禁止、飲食店の営業時間が21時までに制限されるなど、自営業者は苦境に立たされている。
そんななか、1月31日から旧正月の連休を迎えたが、韓国政府は国民にさらなる自粛を求めている。
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