性犯罪者がユーチューブを始めるとは。実に厚かましい行動ではないだろうか。
未成年への性的暴行などで実刑を言い渡された歌手のコ・ヨンウク(48)が、YouTubeチャンネルの開設を発表した。
「無気力な日常から抜け出そうと試みた」説明しているが、当然の如く物議を醸している。
コ・ヨンウクは8月5日、「Go!ヨンウク」という名前のチャンネルを開設するとともに、最初の映像を公開した。
これに先立ち、コ・ヨンウクはSNSで「恥ずかしい人生を送った。家で愚痴をこぼしながら、むちゃくちゃに老けているようなので、無気力な日常から抜け出そうと、とりとめもなくユーチューブを始めてみる。猛暑の中、健康に気をつけてください」と報告していた。
その後、公開された最初の映像にはコ・ヨンウク自身は登場せず、彼の愛犬の日常を撮っていた。コ・ヨンウクは写真のみでの登場だった。ただし、コメント欄は閉じられている。
この3分ほどの短い映像は1日でなんと再生回数18万を越え、チャンネル登録者も3万4000人に向かっている状況だ。
しかし、コ・ヨンウクへの視線は相変わらず冷ややかだ。彼は2013年、未成年への性的暴行、セクハラ疑惑で2年6カ月の実刑、5年間の個人情報公開、位置追跡電子装置(電子足輪)装着3年の刑を宣告された。韓国芸能人として初めて“電子足輪”だ。
2015年に満期出所し、個人情報公開期間が終了したのち、2020年11月にSNSを開設して活動再開への意欲を見せたりもした。
当時、コ・ヨンウクは「このように再び挨拶するまで長い時が流れた。9年近く断絶した時間を過ごしているが、生きている限り、ずっとこのように過ごすことはできないので、これからは慎重に世の中と疎通しながら生きようと思う。まだまだ足りない人間だが、常に省察し、より良い人になるよう努力しながら生きていく」と心境を明らかに。ただ、インスタグラムとフェイスブックは有罪判決を受けた性犯罪者の活動が禁止されているため、コ・ヨンウクのアカウントは2日後に閉鎖された。
そして今回、コ・ヨンウクが選択したのが性犯罪者の活動規制がないユーチューブだった。「罪を犯すと何もできず、静かに過ごさなければならないのかと混乱している」というのがコ・ヨンウクの率直な気持ちだった。
もちろん、犯罪者に更生の機会を与えることは社会的に意味のあることと思われる。だが、コ・ヨンウクの性犯罪は未成年が対象であるため、より厳しい処罰が必要だった。
しかも当時、コ・ヨンウクは人気芸能人として影響力を持った人物でもあったし、その影響力を性犯罪に悪用してしまった。いくら芸能人が公人ではないとはいえ、大衆に公人以上の影響力を及ぼすのも事実だ。コ・ヨンウクの性犯罪が非常に悪質だと言える理由だ。
単に犯罪者の更生機会を論じるには、そのやり方は適切とは思えない。最近のユーチューブは、アルゴリズムの影響で誰でも簡単に視聴することができる。
「性犯罪歴を持つコ・ヨンウクという芸能人のユーチューブ開設」という出来事が話題になることは、火を見るより明らかだ。大衆の好奇心を刺激し、再び名前が取り上げられることで、被害者にもそのまま伝わる可能性が高い。
「恥ずかしい人生を送った」と認めながらも、最後まで被害者に向けた二次加害は全く考えていない厚かましい選択だ。
(記事提供=OSEN)
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