かつて男子バレー日本代表を率いたフィリップ・ブラン監督が韓国で苦しんでいる。
同氏が指揮を執る現代キャピタル・スカイウォーカーズは昨季にチーム史上初の三冠を達成したが、今季は序盤の出足があまり良くない。まだ第2ラウンド序盤とはいえ、すでに7試合で3敗も喫している。
何より、チームはブラン監督体制で初の2連敗も経験した。不調の原因としては、主力セッターのファン・スンビンの不在が大きい。
ファン・スンビンは去る10月29日の水原KEPCOビクストーム戦で肩を負傷。この試合は現代キャピタルが3-1で勝利したが、その後は様相が一変し、4試合で1勝3敗と崩れてしまう。OK貯蓄銀行・ウトメンとの連戦は2試合とも敗れ、大韓航空ジャンボスとの今季初対戦でも力負けした。
ただ、3敗のうち2試合はフルセットに持ち込み、勝ち点1を確保した点はわずかな救いと言える。
ファン・スンビンの復帰時期も依然として不透明だ。現在も肩に保護具を着け、治療と休養を優先している。大韓航空戦も観客席で戦況を見つめるしかなかった。
現在は控えセッターのイ・ジュンヒョプが代役を務めているが、経験不足は否めない。2022-2023シーズンにデビューした25歳の4年目で、昨季の26試合・64セット出場が最多記録。重要な勝負どころでの躊躇やミスが目立つのも無理はない。
チームにはイ・ジュンヒョプのほかにキム・ミョングァン、ペ・ジュンソルなどのセッターもいるが、ブラン監督は彼らを積極的に起用していない。ペ・ジュンソルはまだプロデビューがなく、キム・ミョングァンは先月末に軍服務を終えて合流したばかりで、チーム戦術の適応に時間が必要だからだ。
ブラン監督の悩みは深まるばかりだ。現代キャピタルは元々、レシーブ力の高いチームではない。今季もレシーブ成功率は7位(23.26%)、ディグ6位、守備総合7位と低迷している。
昨季は圧倒的な攻撃力で弱点を補ったが、今季は同じようにはいかない。経験の浅いイ・ジュンヒョプに求められる役割はより大きくなる。
ブラン監督は攻撃力を高めるため、シン・ホジンを「レシーブ可能なオポジット」として起用しているが、まだ大きな効果が出ているとは言いづらい。外国人エースのレオナルド・レイバもアタック成功率47.76%、アタック効率33.06%と数字が伸び悩み、物足りなさが残る。
序盤から順位争いが激しさを増すなか、ブラン監督がどのような解決策を見いだすのか注目されるところだ。
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