韓国俳優労組がNetflixに待遇改善の声を上げた。
米『LAタイムズ』は8月7日(現地時間)、韓国俳優たちがNetflixに給与待遇改善を要求していると報道。これによると、Netflixは韓国で絶大な影響力を及ぼしているが、かなり前から“助演俳優”への賃金が低く、韓国放送演技者労働組合(俳優労組)と溝が生じているという。
この件について、俳優労組の対外協力局長ソン・チャンゴン氏は、「韓国俳優たちが“再上映分配金”(映画や番組の再放送で俳優などが受け取る使用料)を支給されずにいる」と主張し、「他国の市場に進出する際、優先しなければならないことの一つは、私たちのようなグループとのコミュニケーションチャンネルを構築することだが、全く回答がない」と説明した。
一方、Netflix側は書面で、「会社はすべての現地法と規定に従っており、放送局ではなくストリーミングサービスとして再上映の分配金を支払う必要がない」と伝えている。
Netflixが韓国に進出した2016年当時は、まだ成功するかどうかが不透明だったことから、再上映分配金に対する議論は保留されていた。しかし現在、議論条件が満たされたにもかかわらず、俳優労組側との出会いを避けているという。現在、韓国国内のストリーミングサービスは俳優労組と定期的に会合を持ち、再上映分配金も支給している状況だ。
ソン氏は「問題は、Netflixの莫大な製作予算が均等に分配されないということだ。この金額の大部分がスター俳優や有名脚本家に回る」とし、「大部分の助演俳優は賃金が滞ったり、事実上減少したりしている」と話す。
Netflixの製作予算の大部分がスター俳優や有名脚本家に回る反面、再上映分配金やプレミアムも受け取れない助演俳優の1話あたりの出演料は約300ドル(約4万3000円)から始まる。俳優労組によると、Netflix作品は一般的な韓国ドラマよりも話数が少ないだけに、給与総額も大幅に減少しているという。
続いてソン氏は、Netflix作品の撮影期間が韓国国内の作品と比較して非常に長期化するとも伝えている。
ソン氏が最近、Netflixオリジナルシリーズのオーディションを受けた助演俳優から受け取ったある抗議書によると「製作会社が一度に最大15話の撮影を要請し、数日間の無賃労働に該当するほど少ない金額を提案した」と書かれていたという。また「俳優たちは食事、交通、宿泊など、いかなる支援も受けない」と主張した。
それだけでなく、Netflixが推進しているAI活用が、韓国“声優”の地位を脅かしているとも語ったソン氏。韓国俳優業界の場合、AIを使うよりも実際の俳優を雇う方が安価で済むため、AI問題が台頭していない。
しかし、声優の場合は異なるようだ。「映画俳優組合-米テレビ・ラジオ芸能人組合(SAG-AFTRA)」が、自社の声優が録音された公演を人工知能目的で再使用することを制限する労組契約条項で保護されていると明らかにした反面、韓国ではそのような協約が用意されていない。
一方、俳優労組は生産職の総予算に対して、最低賃金を賦課する新たな賃金規定を提案する計画だ。ただ、今のところはアメリカの俳優たちがSAG-AFTRA協定によって得ている額と同じ再上映分配金を、韓国の出演者に与えることが最優先だとしている。
ソン氏は「私たちとSAG-AFTRAの間には疑うまでもなく共通点がある」とし、「全世界の俳優を代表する類似した団体が、互いに協力して連帯感を形成することが役に立つだろう」と付け加えた。
(記事提供=OSEN)
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