韓国コンテンツの“ネットフリックス依存現象”が進む一方…メリットと懸念点は?

2020年12月07日 話題
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新型コロナが長期化しているなか、韓国ではNetflix(ネットフリックス)の影響力が急激に増大している。

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新型コロナの感染拡大で韓国芸能界には“8月の悪夢”が蘇っている。現在、撮影やイベントが相次いで中止され、撮影現場で俳優たちはドミノのように新型コロナの検査を受けている。去る8月、新型コロナによって映画公開やドラマ放送のスケジュールが次々と先送りされたが、“第3波”が襲来した現在、再び同じ状況が繰り返されるのではないかと危惧されている。

そんななか韓国ドラマと韓国映画は、いずれもネットフリックスを向いており、その影響力がさらに高まっている。

韓国におけるネットフリックス

韓国市場におけるネットフリックスの影響力は、すでに相当大きい。ネットフリックスが発表した第3四半期の実績によると、韓国の有料会員数は336万人と推定された。前年同期より、2倍も増加した数字だ。

この勢いを逃さないように、ネットフリックスは今後もしっかりとしたオリジナルコンテンツを公開する予定だ。

(画像提供=Netflix)左から『キングダム』『人間レッスン』『保健教師アン・ウニョン』

『キングダム』シリーズ、『人間レッスン』『保健教師アン・ウニョン』などで韓国オリジナルコンテンツの成功を味わったネットフリックスは、すでに着々と大作を準備し、公開を控えている状況。来る12月公開予定の『Sweet Home-俺と世界の絶望-』を筆頭に、『イカゲーム』『静かな海』『地獄』『今、私たちの学校は』『キングダム:アシンの物語』など、オリジナルドラマのラインナップを定期的に更新している。

さらに韓国映画が劇場の代わりに、ネットフリックスに直行するケースも増えている。

上半期の映画『Time to Hunt』に続き、下半期のSF映画『勝利号』(原題)が、最終的にネットフリックス行きを確定した。制作費240億ウォン(約24億円)をかけた大作として注目された『勝利号』のネットフリックス行きは、現在のネットフリックスの勢いを伝える代表的な事例と見ることができる。

パク・シネ、チョン・ジョンソ主演のミステリー映画『ザ・コール』も最近ネットフリックスで公開されて好評を得ており、チャ・インピョ主演のコメディ映画『チャ・インピョ』も来年、ネットフリックスを通じて独占配信される。

(画像提供=Netflix)映画『勝利号』(上)と『ザ・コール』

韓国コンテンツの市場性を高めているだけに、ネットフリックスの影響力の増加はウィン・ウィンの効果と見ることができる。

ネットフリックスは、さまざまなジャンルの韓国コンテンツを全世界190カ国にリリースしながら、国境を越えた文化交流と国家イメージ向上に貢献している。『愛の不時着』『梨泰院クラス』『青春の記録』などの韓国の人気ドラマが、ネットフリックスを通じて世界的に注目され、全世界に韓流をアピールする動力となった。

ネトフリの影響力UP、懸念点も

そのため一部からは、ネットフリックスが新型コロナ終息後も影響力を維持するとの見方をしている。

とある業界関係者は「テレビ広告市場が減少する状況で、ネットフリックスの助けなしに制作費を調達することが難しいのが現実だ。さらにテーマやシーンの制約が少ない点も俳優や制作陣にとって好ましい。新しいコンテンツが出ると、企画会社や制作会社が最初にネットフリックスに協力を求めている」とし、「その構造が定着すれば、新型コロナと関係なく、ネットフリックスが市場で優位を占めることになるだろう」と分析した。

ただ長期的に見た場合、ネットフリックスへの“従属化”によって韓国コンテンツ市場の拡大に限界が来るとの懸念の声も出ている。

あるテレビ関係者は「問題は、ネットフリックスのコンテンツを購入するパワーが大きくなるにつれ、ドラマ、映画など韓国コンテンツの生態系も徐々にネットフリックスの傘の下に入るという点だ。すでにケーブルテレビ、総合編成チャンネルだけでなく、地上波テレビ局までネットフリックスと手を握っており、“ネットフリックス依存現象”が深刻化している」と述べた。

また別の関係者は「長期的に見たとき、ネットフリックスは国内OTTの成長と韓国コンテンツの海外進出のための課題として作用するだろう」と見た。

ネットフリックスは自らの領域を拡大し続けており、規模を育てている最中だ。ネットフリックスが2015年から2020年までに韓国コンテンツに投資した金額は、8000億ウォン(約800億円)に迫る。今後もネットフリックスが購入したり、自主制作したりする韓国コンテンツはますます増える見込みだ。

ネットフリックスは最近、韓国コンテンツへの投資・支援を担当する法人「ネットフリックス・エンターテインメント・コリア」を設立し、既存の法人と分離して運営しており、韓国コンテンツの発掘・投資・支援などに拍車をかける計画だ。

ネットフリックスの関係者は「韓国コンテンツに関連する業務、および投資も徐々に増えるだろう」と述べた。

ネットフリックスに適当な規制装置がない点も懸念される理由だ。ネットフリックスがOTT市場での地位を利用し、不当な契約条件を提示して競合他社との取引を制限しても、現行の放送法などではOTT事業者を規制する法的根拠がない。

これに対して韓国放送通信委員会が現在議論中だが、少なくとも1年以上の時間はかかると見られる。ただ、すでにネットフリックスの強力なコンテンツパワーに押され、地上波3社連合である韓国OTTウェーブは主導権を奪われた状況だ。

下半期にはネットフリックスだけでなく、また別の“コンテンツ怪物”である「Disney+(ディズニープラス)」まで国内進出を狙っており、韓国国内メディアの立場はますます萎縮する見通しだ。

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