“韓国アレルギー”は健在も、K-POP界が切っても切れない中国…切り札と目されるアーティストは?

2023年07月05日 話題

K-POPアイドルは“中国の鉄壁”を突破できるのだろうか。

【注目】BTSメンバーが“中国”について言及

中国最大の音楽プラットフォームを運営するテンセント・ミュージック・エンターテインメント(TME)が、7月8、9日にマカオで開催するイベントにK-POPアーティストを複数招待していたことが判明し、注目を集めている。

もしも今回のイベントが実現すれば、2016年以降、韓国国籍のK-POPスターが中国の授賞式に参加する初の事例になるものと見られる。

先立って中国は2016年、韓国国内に在韓米軍のTHAAD(弾道弾迎撃ミサイルシステム)が配置されたことに対する報復措置として、韓流コンテンツ禁止令、いわゆる“限韓令”を発令し、韓国芸能人の中国活動を阻んできた。

だが今年上半期、中国の行政機関・文化観光部が、諸外国の商業公演受付および許可を再開したことに加え、HYBEが5月にTMEと音源流通契約を結んだという便りが伝えられたことで、韓国音楽界でも中国活動が再開されるのかと思われた。

BLACKPINKは炎上

今回TMEが中国SNSのウェイボー(微博)を通じて公開した「テンセント・ミュージック・エンターテインメント・アワード2023(TMEA)」のラインナップには、HYBEのSEVENTEENとLE SSERAFIM、YGエンタのTREASURE、SMエンタのWayVとSOLが含まれていた。

(画像=TMEウェイボー)TMEA2023出演者リスト

WayVは5人とも中国人メンバーのため違和感はないが、そのほかは韓国人メンバーが含まれている多国籍グループだ。TMEAはマカオで授賞式、フェスティバルが行われる予定で、アーティストの公演時間は10~15分と公示されている。

最近、中国国内では停滞していた限韓令に再び火が付いた。というのも、現在ワールドツアー中のBLACKPINKが、マカオ公演で「Macanese(マカオ人)」という表現を使ったことが原因だ。マカオは1999年にポルトガルから中国へと主権が返還されたにもかかわらず、中国とマカオを区分したという理由からだ。

(写真=BLACKPINK公式ツイッター)マカオ公演の様子

BLACKPINKの件は中国官営メディアまでもが取り上げ、「マカオを中国の一部と見なさない行動は無礼だ」という中国のネット上の反応を伝えたほどだった。

このほかにも、歌手兼俳優のジョン・ヨンファの中国バラエティ出演が突然取り消しになり、中国のネットユーザーがBLACKPINKのコンサートに参加した芸能人を対象にしたブラックリストを作成したりもした。

加えて、中国では韓国の主要ポータルサイトである「NAVER」のサービスに突然支障が生じ、中国在住の韓国女優チュ・ジャヒョンは、出演中だった現地のオーディション番組で突然脱落するなど、方々に影響が及んだことで限韓令が再び始まったという推測が膨らんだ。

SUGAは中国での活動を希望したが…

限韓令に言及したスターもいる。BTS(防弾少年団)のSUGAはファンコミュニティプラットフォームWeverseのライブで、「中国にしばらく行っていないので、本当に行きたい。だが韓国歌手が行って仕事をする方法がない」と残念さを表わしたこともある。

続いて「K-POPグループには韓国人もいれば、中国人の友達もいて、他の国の友達もいる。(韓国以外の)他の国籍のメンバーは中国に行って働けるが、グループは中国に行って仕事ができない」と中国内の雰囲気を伝えた。

そのため、今回のTMEA出演を契機に、本格的な中国市場が開かれるかに注目が集まるが、憂慮する声も少なくないのが現実だ。

TMEが韓国国籍のK-POPアーティストが含まれたリストを発表したあと、大多数の中国ネットユーザーは歓迎の意思を明らかにしたが、一部では「来るな」「ボイコットする」という“嫌韓感情”も見られた。BLACKPINKのケースを知った韓国のファンも中国公演に拒否感を示しており、ステージで非難されるのではないかと心配している。

TMEAへの出演が実現するかどうかを見守らなければならないという慎重論もある。TMEは2年前にEXOの出演を広報したが、突然取り消したことがあるからだ。授賞式のリストに名を連ねたK-POPアーティストたちがマカオで公演をしたとしても、中国国内に送られない可能性もある。

“架け橋”となり得るK-POPグループとは?

限韓令以降、K-POP業界は北米や欧州、中東市場を開拓し、中国への依存度を下げてきた。

しかし、中国国内のK-POP人気は依然として高く、昨年のK-POPアルバム輸出対象国ランキングで中国は、5132万6000ドル(約74億円)で2位を記録したほどだ。

ある音楽業界の関係者は「中国の依存度が低くなったというが、莫大な規模のファンダムを持つ中国を排除することはできない。最近では、SEVENTEEN、Stray Kidsなどのボーイズグループが400~500万枚を越えるアルバムを売ったが、中国ファンの功績が相当だった」と話す。

業界は、両国の文化交流再開の礎を築く主役としてSEVENTEENに注目しているという。

(画像提供=PLEDISエンターテインメント)SEVENTEEN
(画像提供=PLEDISエンターテインメント)SEVENTEEN・ジュン

SEVENTEENが4月24日に発売した10thミニアルバム『FML』は、中国で爆発的な反応を起こしたためだ。このアルバムは発売初週に400万枚以上が売れたのだが、その半分以上が中国ファンの共同購買を通じて達成されたと知られ、現地の熱い関心を実感させた。

この勢いに乗り、SEVENTEENの中国人メンバー、ジュンは7月4日、中国ソロデジタルシングル『PSYCHO』をリリースした。SEVENTEENのTMEA参加とジュンの活動が、中国市場における新たな希望になるのかも関心を集めている。

【画像】BLACKPINKに中国から悪質コメントが殺到するきっかけ

「文化を盗むな」アイドルから女優まで…中国ネットユーザーの“標的”になった韓流スターたち

BLACKPINKのコンサートを観賞しただけで“売国奴”に…嫌韓が高まる中国、韓流スターの活動は絶望的

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集