カンボジアで拷問を受けて死亡したとされる女性インフルエンサー、アヨンさんの遺族が司法解剖に同意した。
6月15日、現地の消息筋によると、カンボジア警察は近くアヨンさんの遺体を司法解剖する予定だ。
カンボジア警察は当初、死因究明のために司法解剖が必要という立場だったが、アヨンさんの遺族が葬儀の手続きを終えようと反対したという。しかし現地警察や韓国大使館側の説得によって、遺族が司法解剖に合意した。
ただし、司法解剖の結果が出るまでには1カ月以上かかるとの見方も出ている。現地で司法解剖が行われても採取した試料を精密検査できる人材や装備などがなく、海外に送って結果を待たなければならない状況だからだ。
先立って6月6日、カンボジアの首都プノンペン近くのカンダル州の村で、赤い布に包まれて水たまりに捨てられた女性の遺体が発見された。アヨンさんだった。享年32歳。
警察は遺体を包んだ布から指紋を採取し、容疑者として病院を経営する中国人夫婦を検挙。警察の調査で2人は、アヨンさんが6月4日に自分たちの病院で血清注射を受けたが、発作を起こして死亡したため、遺体を遺棄したと供述した。
しかしアヨンさんの遺体は顔がわからないほど傷つき、首の骨が折れた状態で、単純な医療事故と見るには疑問点が多かった。そのため暴行や他殺の疑惑が浮上し、カンボジア警察は中国人夫婦に「拷問」をともなう殺害容疑を適用した。
6月2日に知人とカンボジアに到着したアヨンさんがなぜ一人だったのか、なぜ言葉の通じない中国人夫婦の病院を訪れたのか、なぜ血清の注射を受けたのかなど、現在も数多くの疑問が残っている。
なお1990年6月10日生まれのアヨンさんは、韓国の映像配信サービス「アフリカTV」で配信者として活動し、16万人もの登録者を保有していた人気インフルエンサーだった。だが昨年12月の配信を最後に、活動を中断。そして今年3月に配信者生活を清算し、一般人として生活すると明かしていた。
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