EXO(エクソ)の3人がSMエンターテインメントに“決別”を突き付けたなか、あのレジェンドグループの存在が脳裏をよぎる。
【全文】「奴隷扱いだった」EXOメンバー3人が契約解除を通知
6月1日、EXOのベクヒョン、シウミン、チェンが、所属事務所のSMエンターテインメントに専属契約の解除を通知した。
彼らは法定代理人を通じて、SM内で不当な扱いを受けていると主張。SMが有利な立場を利用して、いわゆる“奴隷契約”を強要していると伝えたのだ。
兵役による空白期を乗り越え、4年4カ月ぶりの“完全体”カムバックが予告されていただけに、ファンの動揺は大きい。
「悲しい」「信じられない」といった反応が上がっているなか、特に目を引くのが「先輩と同じ道をたどるのか」「あの時と同じ気持ちになる」といった声だ。
というのも、SMは過去、類似のケースで伝説的グループを“破壊”した過去を持っている。
そのグループの名は「東方神起」。2000年代に一世を風靡し、日本での活動も活発な伝説的グループだ。
韓国や日本はもちろん、世界レベルでも成功を収め、「SMの最高傑作」と称されるほどのK-POPアーティストだったが、人気が頂点に達する目前、衝撃的な出来事が起こった。
2009年7月、ジェジュン、ユチョン、ジュンスの3人が、SMに対して専属契約の効力停止を要求する手続きをソウル中央地方法院に提出したのだ。
そう、いわゆる「奴隷契約」問題。EXOのケースと同様だ。
3人が明かした契約内容は衝撃的なもので、「デビュー後、一年に1週間しか休みがない」「一日3~4時間程しか寝られない」「契約期間が、事実上、芸能界引退までの終身契約」「専属契約解除には巨額の違約金が必要なため、事実上不可能」「契約金はなく、CDの売上分配金も枚数の条件付き」といった非常に厳しいものだった。
対するSMは、「スケジュールや健康問題は十分に協議した」「公正取引委員会の約款では、歌手との専属契約は7年と規定しておらず、海外活動する歌手の場合、契約期間に制限を設けるケースは少ない」「メンバーとの契約後、双方の合意に基づいて何度も更新・修正した。収益配分に関しても、3回行っている」「十分な金額の給与や、高級車などのボーナスも提供した。さまざまなビジネスによる分配率があるにもかかわらず、一部だけを切り取っている」と見解を主張したが、結局折り合いはつかず、東方神起は分裂することとなった。
ユンホとチャンミンの呼びかけに応じなかった3人は、2010年10月に「JYJ」として活動を開始。その1カ月後、東方神起はユンホとチャンミンのデュオとして再スタートを切ったのだった。
当時、韓国のある音楽関係者はこう語っていた。
「ユンホとチャンミンはSMのマネジメント能力を高く評価し、信じている。実際、韓国だけでなくグローバルな人気を誇るグループとなった東方神起をマネジメントできる会社は、韓国にはSMしかない。ユンホとチャンミンは賢明な判断をした」と。
この言葉通り、2人になっても東方神起の勢いは衰えなかった。その一方で、袂を分かった3人は茨の道を歩むこととなる。
SMからCJエンターテインメントに籍を移したJYJだったが、目に見えて活動が激減。JYJが退所後もこれまで通りに活動してしまうと、彼らがモデルケースとなり、後輩が続いてしまうことを危惧したSMが圧力をかけたと囁かれた。
また、SMが超大手ということもあり、TV局や関連企業が逆らえなかったことも推察できるだろう。
実際、SM退所後の3人は、東方神起時代ほどの活動はできていない。ジェジュンは主にタレント活動、ジュンスはミュージカル俳優として活動し、ユチョンにいたっては麻薬事件で事実上、表舞台から姿を消したといってもいい状態だ。
今回のEXOの3人が、JYJと同様の道を辿るかは現時点ではわからない。SMは3人の契約解約通知を受け、「外部勢力」関わっていると発表していることから、長期化する可能性も否定できない。
いずれにせよ、先輩グループのような“最悪”の結果にはならないでほしいと思うが、果たして…。
■【全文】“奴隷扱い”主張のEXO3人、SMが完全否定「清算資料?いつでも閲覧可、別の目的だ」
前へ
次へ