「『犯罪都市』シリーズは注目度が高い上に、韓国でも『るろうに剣心』を見たという方が多いので、私に気付いてくださっているようです。最近は、写真を撮る時に韓国式の“指ハート”を作ったりします(笑)」
【写真】青木が『犯罪都市3』で演じたヤクザ・リキ、怖すぎる…
映画『犯罪都市3』(原題)で、シリーズ初となる外国人ヴィラン、リキを演じた日本人俳優・青木崇高は、韓国式のファンサービス文化とプロモーションがとても興味深かったようだ。
5月23日、本紙『スポーツソウル』は、ソウルのあるカフェで青木のインタビューを行った。
「日本は“VIP試写”という概念がないが、22日に行われた『犯罪都市3』のVIP試写会では11館を回りながら観客と挨拶を交わした。普段ファンであるBTS(防弾少年団)のSUGAをはじめ、その日集まった韓国のセレブだけで映画10本は作れそうだ」と舌を巻くほど驚いたようだ。
青木は、2015年に韓国でも公開された映画『るろうに剣心 伝説の最期編』で演じた相楽左之助役の印象が強く、現地でも知名度の高い俳優の一人だ。
映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)を通じてマ・ドンソクのファンになったという青木は、日本でも人気が高い『犯罪都市』シリーズの出演オファーを受けたあと、思わず走り出するほど嬉しかったと打ち明けた。
彼は「キャスティングが確定した瞬間、マネージャーとハイタッチをしたほど」とし、「周りの知り合いとも歓喜に満ちた悲鳴を上げました」と当時を回想。「『新感染 ファイナル・エクスプレス』は劇場で2回見ました。マ・ドンソクさんのキャラクターも好きで、ストーリー展開も興味深かったです。ゾンビを表現する方法や、密室空間を使用した点も魅力的です。映画の上映中、劇中のドンソクさんが死なないことを願いながら観覧しました」と明かすし、『犯罪都市3』で共演した憧れの存在について語った。
青木が今回演じたリキは、日本のヤクザでトップクラスの殺し屋だ。新種の麻薬を盗んだ組織内の裏切り者を処分するため、日本から韓国に渡ったリキは、ためらうことなく刀を振り回し、目の前の邪魔者は思いきり切り捨てるという人物。
自身が演じた役については「リキは、ヤクザの会長が特別に寵愛するプロフェッショナルな殺し屋」とし、「銃を使えるにもかかわらず、日本刀を選択したという点で殺戮を楽しむ人です。残忍で恐ろしいキャラクター」と説明した。
そんなリキだが、“怪物刑事”マ・ソクト(演者マ・ドンソク)の拳には結局負けてしまうという。彼は「マ・ドンソクさんとの共演は、俳優・青木としては天国だが、リキとしては地獄」と評する。
「リキは麻薬を早く回収することが目的なのに、突然、怪物のような男が大きな拳で部下たちをめちゃくちゃに殴り、結局、自分自身までボロボロにされます。だからリキは地獄を経験したと思いますが、俳優の青木にとっては、マ・ドンソクさんの拳に当たる機会なので幸せでした。もちろん撮影なので、本当に殴ってはいませんが(笑)」と嬉々として語ったことから、今回の撮影がどれほど楽しかったのがうかがえる。
憧れのマ・ドンソクに対しては「心が広く、寛大な人」と称賛を惜しまなかった。「マ・ドンソクさんは、いつも現場で細心かつ几帳面に周辺の人たちに気を配っていた」とし、「『犯罪都市3』は私にとって初めて韓国で撮影した作品だが、良くない点があれば、いつでも話してほしいと言ってくれました。一緒に食事をする時も、いつもユーモラスな冗談でムードメーカーの役割も果たしていました」と話した。
そんな青木に、マ・ドンソクと対戦したらどちらが勝つと思うかという質問を投げかけると、彼は目を大きく見開いて「答えは明らかです。マ・ドンソクさんは優しい方なので、私を絶対殴らないでしょう」と自信を示した。
そしてダブルヴィランとして、今作の見どころの一翼を担うイ・ジュニョクに対しては「初めて坡州(パジュ)のアクションスクールで会った時、すごくバルクアップされていましたが、プロモーションの時に会うとスリムになっていたので、同一人物だとわからなかった」とし、「今回見て、ドラマ『秘密の森』のソ・ドンジェということを知った」と笑った。
イ・ジュニョクの役作りエピソードを受け、青木は「私も作品の撮影で体を鍛えた経験がありますが、イ・ジュニョクのように筋肉を増やすことは本当に大変なこと」と称賛している。
今回の『犯罪都市3』で韓国映画の撮影現場を初めて体験したことについても言及した青木は、韓国式の現場編集技術と、ケータリング文化に親指を立てた。「現場での編集は、監督のディレクションを明確にするだけでなく、各シーンが繋がった時に達成感を与える役割をしていたし、次の撮影にエネルギーを継続させる」と満足感を示した。
そしてケータリング文化についても「日本ではお弁当を食べたりするが、韓国では“パプチャ”(ケータリングカー)が来た。韓国料理は好きだが、辛いものが苦手な私のことを考慮してくれました。辛くない“青木メニュー”を特別に考えてくれて、とても美味しく食べることができました」と笑顔を見せた。
昨年、日本の巨匠・是枝裕和監督が韓国映画『ベイビー・ブローカー』を撮影し、今年初めにはアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』『すずめの戸締まり』が韓国で大きな愛を受けるなど、両国の政治的葛藤とは別に、文化交流は活発化している。
このような状況について、青木は「日韓の文化交流がより一層活気を取り戻してほしい」と述べている。
「日本の映画界もかなり落ち込んでいる状況です。映画祭のようなフェスティバルを通じた文化交流もありますが、作品の中の俳優たちの演技を通じて交流することも、文化交流として意味があると思います。私もやはり、舞台挨拶の際はなるべく韓国語で観客に挨拶しようと思います。やはり、エンターテインメントは人と人の心を繋ぐ特別さがあります」
前へ
次へ