「日本の方の情緒に合う」と主演ヨン・ウジンも確信、映画『夜明けの詩』がもたらす癒し【インタビュー】

2022年11月26日 映画 #韓国映画

――本作は別れのほか、“癒し”もテーマとなっていますが、新型コロナなどで生きづらい現代を穏やかに生きる秘訣はありますか。

ヨン・ウジン:この映画が韓国で公開された時、新型コロナの蔓延が一番酷かった時でした。そんな中、マスクを着けて舞台挨拶をしたり、映画について話したりしていたのですが、その時はとてもぎこちなく、寂しい気持ちになりました。その時、私はソウルの街をよく1人で歩きながら次回作の準備をしたり、研究をしたり、本当によく歩きました。そのおかげでソウルの良さを再確認できたりもしました。でもそれによって、人と会うことがこんなにも大切な事なんだ、大事な事なんだと改めて思いましたし、今は感謝しながら、新しい作品を撮っています。今は仕事が楽しくてしょうがないです。マスクを外して遮る物がない状態で人と会い、心から喜び合いながら楽しく過ごせています。なので、これからもより良い作品で皆さまに会えるよう、肝に銘じています。

――最後にチャンソクが背負っていたものが明らかになりますが、これはハッピーエンドと言ってもよいのでしょうか。

キム・ジョングァン監督

キム監督:観る人によって違ってくると思います。ハッピーエンドと言える人もいると思います。なぜならチャンソクは様々な人から話を聞き、いろいろな別れを経験し、最後には前に進むわけですから。一方で、“死”にまつわる話もありますが、それを乗り越えて前に進むという捉え方もできます。

――最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

キム監督:私は昨年、犬童一心監督の『ジョゼと虎と魚たち』という映画をリメイクして、自分では日本ととても縁が深いと思っています。そして今回、『夜明けの詩』が日本で公開されることが嬉しく思っています。4つ目のエピソードの舞台がバーなのですが、そこで少し欠けたグラスが出てきます。それは実は日本に行った時に手に入れた物で、新宿のゴールデン街で飲んでいた時、そこの店主に「ちょうだい」と言ったら、くれたのものなんです。なので、その時の店主にも観てもらいたいなと思っています(笑)。

((c) 2019 Vol Media co. ltd., All Rights Reserved)ゴールデン街でもらったグラスも出てくるバーでのシーン

ヨン・ウジン:今回、この作品が日本で公開されることを、とても嬉しく思っています。特に劇場で公開されるということに大きな意味があると思います。韓国でも公開され、感動した、共感された方も多かったと思うのですが、より日本の方の情緒に合う、そんな映画だと思います。私は日本に行って、この作品の裏話なども話せればと思っています。

(インタビュー・文=高 潤哲)

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