「偏見はなかった。学びが多かった」パク・ユチョンの復帰映画で共演した新人女優イ・ジンリ【インタビュー】

2022年11月23日 映画 #パク・ユチョン

この日、イ・ジンリは「監督が私の演技映像を見て会いたいとおっしゃったので訪ねていった。台本を見る前に、2時間ほど話を交わした。ダメもとで“ホンダン役をやりたい”と話したら、主人公を任せてくださった」と、キャスティングされた理由を明らかにした。『悪に捧げ』は2020年クランクインし、約3週間の撮影を行った。 

(写真提供=DNDエンターテインメント)イ・ジンリ

「現場で主人公として呼吸を合わせるのが初めてだったので大変だった」というイ・ジンリは、「監督とスタッフがよく気遣ってくれて、きちんと締めくくることができた。しかし北朝鮮の方言や、中国語を使いながら演技するのは難しかった。今後は外国語のひとつくらい、現地の人と同じように上手く使いたい」と話した。

ホンダン役を演じたイ・ジンリは、「ホンダンは私が知らない分野の女性だ。脱北した女性であり、子供もいて、職業はヘルパーだ。ドラマや映画では見たことがあったとしても、実際の自分が接しにくく、経験したことのない人物だ。しかし理解できないというよりは、彼らの人生はどういったものか、自分がどんな部分を見せるべきかを監督と話し合った」と、キャラクターに接して分析した過程を聞かせてくれた。

撮影前に現場を先に見て回ったというイ・ジンリは、「ロケ地にあらかじめ訪ねて雰囲気を見た。しかし、その職業の女性たちを直接訪問したり、会って話したりすることはできなかった」と、想像力を通じてキャラクターを作ったことを明かした。

(写真提供=Ninetails Korea)『悪に捧げ』ホンダン役を演じたイ・ジンリ

撮影をしながらパク・ユチョンの助けが大きかったという彼女は、「本読みをするとき、頭の中に描いているものはあったが、現場がどう進むのか予想できなかった」とし、「ところがパク・ユチョン先輩はスター級の俳優であり、経験も豊富だ。かんばしくないことはあったが、学ぶことが多かった。先輩としては、新人女優と主演として演技するというのが嫌かもしれないが、そういったこともなく、たくさん助けてくれた」とパク・ユチョンを称賛した。

パク・ユチョンについて彼女は、「周りからの憂慮はあったが、私は俳優の後輩としてパク・ユチョン先輩に偏見や負担はなかった。それよりも自分が引き受けた役割をきちんと果たすことが重要であり、それに対するプレッシャーがあった」とし、「パク・ユチョン先輩はこの作品で(韓国)復帰の意志が大きかったと思う。私も同様に、自分が引き受けた役割をきちんと果たすことがより重要だった。各自のことだけに集中した。先輩は演技が上手で、現場での接し方も上手く、学ぶことが多かった」と再度強調した。

(写真提供=DNDエンターテインメント)イ・ジンリ

イ・ジンリは、「私は経験中毒者だ。新しいことを経験するために開かれている。発展することに誇りを感じる。その点で、俳優は自分に合う職業だと思う。今日もこのようなインタビューが初めてで、幸せだ」と話した。

続いて「大変で困難も多いが、(多様な経験を)原動力にしている。それで大変でも続けられるようだ」と明るく笑った。

2016年に水原(スウォン)市立劇団で演技活動を始めたイ・ジンリは、嘉泉(カチョン)大学校・演技芸術学科を卒業後、『かわいい男』(2021)、『私だけ見えるの』(2021)などの映画に出演した。主演を務めたのは今回の『悪に捧げ』が初めてだ。

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