作家もとても好きで一緒に作品を作ってみたかったし、私がサンアを演じることになれば多様に描くことができる気がした。5話以降、全く違うサンアの姿が出てきて、やってよかったと思った。この作品を逃していたら、きっと残念がっていたと思う。
次の作品は悪役や時代劇をやってみたいと思っていたが、サンアもミステリアスな内面がある人物だと思って演じ始めた。ロールを細分化したとき、悪役なら悪役だが“ヴィラン”に近い多面的な人物だと思う。
-オム・ジウォンが考えるウォン・サンア。
作家が「ジウォンさんがサンアの心をよく理解できる女優だと思った」と話してくださった。劇の流れによって変化するサンアの感情と心をうまく表現しようと努力した。
過去、さまざまな事件と状況で歪んでしまい、一般的な範疇から外れた感情と思考を持ったが、キャラクターが持つ生まれつきの純粋さと愛らしさがある人物だと思った。
-演技に先立ち特別に準備したり、重点を置いた部分。
まず、外見でサンアを準備しながらとても面白かったのは衣装だ。この場を借りて美術チームにお礼を申し上げたい。とりあえずセットがとても良かったが、人物に特定のカラーを指定してくれた。サンアにはブルーと紫のようなイメージのカラーを与え、それを土台にスタイリストチームとデベロップさせ、その過程が新しくて面白かった。
8話のエンディングでサンアの衣装は黄色、閉じた部屋はレッド系、蘭の部屋ではブルー系など特定の場所で色を付与されたシーンがあった。衣装のカラートーンを決めてくださったので、セットともよくマッチしていたと思う。その他にも服が実は限定的に見えるしかなかったが、服はできるだけ色に合わせてハイジュエリーを使いサンアの高級感を維持した。
内面的には、サンアという人物は感情が複雑で、本当に色々な感情の体系を持っていた。
スケジュール上、6話の撮影を終える前に12話の最後のシーンであるサンアの最後を先に撮った。撮影当時はエンディングを先に撮るのが負担になったりもしたが、事前に作家と多くの話を交わしたり、その後サンアという人物をよりよく理解できるようになった。
一方では、実際に最後の撮影でそのシーンを撮っていたらどうだったのか気になりもした。キャラクターをどのように準備するというより、文を通じてその人を覗き込み理解しようとした。
作家がすごく独特で、全体リーディングをする時、すべての俳優に可能であれば台詞を台本通りに修正せず、そのまま演技するようお願いした。すべての俳優がそうだが、莫大な量の台詞を与えられるシーンでサンアという人物を説明してくれていてサンアをより身近に、深く感じるようになった。
なにより、文章がとてもよく書かれていて特別な努力をせずとも、スポンジのように吸収された人物だったし、口調の中にいたサンアの心の構造を探していくのも楽しかったし良かった。
-悪役を演じた後遺症はないのか。
今回の作品では、特に感情の強いシーンが多かったが、実は撮影を終えても後遺症はなかった。
長い間、女優をしてきたからか、キャラクターを早く見送ることが鍛えられた。恋愛が終わったとき、別れた恋人から離れるように、健康な女優になるために早く離れる訓練も、努力もたくさんした。また、それがオム・ジウォンという人間にとっても良い。撮影が終わって趣味や運動もたくさんして、キャラクターを見送る時間を過ごしている。
-一番愛着のあるシーンはどこ?
良かったシーンが多すぎて、1つのシーンを挙げるのが申し訳ないが、全体的に気を遣ったのは8話だ。サンアのターニングポイントということで、たくさん気を遣った。
撮影当時、扁桃炎がひどく、体調がとても悪かった。
劇中、サンアにとってとても重要な場面だったが、急いで病院に行って薬を飲んでプロポリスキャンディーを食べて、良くないコンディションのなかで苦労して撮ったので、特に残念な気持ちが残っている。
また11話でジェサンを殺して「あなたはなぜ私と結婚したの?私はあなたのために死なないのに」と言いながらジェサンと別れるところが一番心を痛めたシーンだ。
この場面を見てから8話の序盤、閉ざされた部屋から出てきたサンアがジェサンに「約束してね。何があっても私を守ってくれるということ」と言い、ジェサンと約束したサンアの裏の顔が出てきて、とても怖く痛かったので、記憶に残っている。
-出演陣との呼吸はどうだったか。
(キム)ゴウンと演技するとき、互いに気が合ったし、(パク)ジフもとても良かった。娘のヒョリン(演者チョン・チェウン)は透明に演技してくれた。俳優のチョン・チェウンという人物はとても澄んで善良な人だが、心からサンアを愛するその気持ちが心に響いた。
オム・ギジュン俳優はあまりにもベテランなので、安心して演技することができた。スイム(演者パク・ボギョン)もマリ(演者コン・ミンジョン)もしっかりした俳優だった。
全部がすごく良かったし、すべてが息ぴったりだった。このような経験をできることが、俳優として幸せで祝福された現場だ。文章も当然良かったが、監督を含めすべてのスタッフの方々が各自、自分の分野のプロ同士が出会い、自分の仕事を全てとても上手くこなし、(作品を)つくる楽しさがあった現場だった。
-どんな作品として記憶に残ると思うか。
一緒に過ごした俳優、スタッフの皆の息が一番よく合った作品として記憶されると思う。
-視聴者たちへ一言。
『シスターズ』を愛してくださった視聴者の方々に最も感謝する気持ちだ。大衆芸術を見せる人として、作品を作る人同士がいくら楽しくても、見てくれるドラマを見て共感してくれる方々が多い時にこそやりがいを感じる。
今回の作品は特に多くの視聴者の方々が愛してくださって美しい実を結ぶことができた。私が演じたサンアも、憎いが憎めないような感情で見て下さって感謝している。
よく休んで体調を回復させて、新しい姿で早くお会いしたい。
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