佐藤二朗主演『さがす』片山慎三×『新感染』ヨン・サンホ、2人が語った日本映画に必要なこと

2021年10月16日 映画

10月6日から15日にかけて、韓国で開催された「第26回釜山(プサン)国際映画祭」が幕を閉じた。

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新型コロナの影響で2年ぶりに正常開催された本映画祭は、1996年から開始し、韓国を中心に数々の映画作品を紹介するアジア最大規模の映画祭として名高いイベントだ。

そして今回、『TOKYO!』(2008年)や『母なる証明』(2009年)で日本人として唯一ポン・ジュノ監督の助監督をつとめ、初長編作『岬の兄弟』(2018年)が好評を博した片山慎三監督の最新作『さがす』が、「ニューカレント(コンペティション)部門」に出品され、10月11日、日本公開に先駆けて韓国の映画ファンと出会った。

片山慎三監督(左)と、ヨン・サンホ監督

上映後には、片山監督がリモートで参加した現地観客とのQ&Aセッションや、『新感染』『新感染半島 ファイナル・ステージ』などを手がけた、ヨン・サンホ監督が行われた。

まず上映後のQ&Aセッションでは、作品を観た韓国の観客からの質問に答えた片山監督。一つひとつ噛みしめるように答える、丁寧な姿が印象的だった。

その後のトークセッションでは、ヨン監督は片山監督が手がけたWOWOWの連続ドラマ『さまよう刃』を見てFacebookで友達申請したとし、以前からの交流エピソードを披露していた。

リモートでつながっている韓国の観客に手を振る片山監督

日韓2人の監督が語った日本映画に必要なこととは?

そして『さがす』についてヨン監督は、「最初のカットから引き込まれました」とし、「作品全体に監督のビジョンがぎっしり詰まっている映画を観るのは、とても幸せな経験」と絶賛。

最後に、記者からの、「世界で認められている韓国映画に、日本映画が追随するためには何が必要か」という質問が出ると、片山監督は「なかなか言いづらいですね…」としつつも、「おもしろいものを作る意識。キャストのネームバリューよりも、内容や画の力、ストーリーの力といった点でヒットさせることが重要」と発言。

続けて、「決して難しい内容ではなく、ヨン監督の映画のように、誰もが観て楽しめる、感動できるもの。作家性と商業性を兼ね合わせたような作品を、日本で生み出すことが重要」と語った。

片山慎三監督(左)と、ヨン・サンホ監督

またヨン監督は、「片山監督のような監督に多大な投資をすれば、日本の映画業界は、より活気のある、発展するのではないかと思います」とし、「片山監督のようなクリエイターに大胆な投資を行い、映画を作っていけば、素晴らしい作品が生まれていくと思います」と語っていた。

「片山監督とは、これからもお互いに切磋琢磨しながら、ともに良い作品を作っていける関係でいたいです。ともに世界に訴えかけるような、環境も作れると思います」と今後を見据えた。

この言葉を受け、片山監督は「これから一緒にできると嬉しいですし、お互い映画界を盛り上げられたらと思います」と締め括った。

片山慎三監督の最新作『さがす』は2022年に公開予定となっており、ヨン・サンホ監督の最新作『地獄が呼んでいる』は11月19日にNetflixで配信開始だ。

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