韓国のスターがワールドワイドで活躍するためには3つのステップがある。
最初のステップは国内で大人気になること。2つ目は東洋的な価値観を共有するアジアで認められること。
3つ目が多様な民族性が分散する世界でスターとして受け入れられることだ。
最後の3つ目が一番ハードルが高いのだが、BTSは難関を乗り越えた。なぜ、それが可能だったのか。
アメリカのビルボード・副社長のシルビオ・ピエトロルオンゴ氏はBTSについてこう語っている。
「BTSの成功の秘訣は、既存のK-POPアーティストとは明らかに違う音楽性です。彼らは、緻密な戦略と組織力で音楽世界を広げ、支持者の幅を広げました。近視的な人気にとらわれやすいエンタメ業界で、BTSのチャレンジ精神は高く評価されています」
実際、BTSは圧倒的な実力に裏付けられている。彼らが繰り出す歌とダンスのパフォーマンスは、「どれだけ練習すれば、7人がこれほど一糸乱れぬ正確さを一緒に再現できるのか」と感嘆するレベルだ。
しかも、ビジュアルで一目瞭然という点が効果的。
非英語圏の人間が世界で通用するためには言葉の壁を越えていかなければならないが、BTSはすばらしいパファーマンスで、ひとっとびで壁を越えていった。
時代も後押ししている。今や、ユーチューブなどの動画サイトで、彼らのことを世界の誰もが簡単にアクセスできるようになった。ヒップホップというジャンルもうまくマッチした。
今、世界的に格差が広がる時代を迎えて、若者たちの不満が鬱積（うっせき）している。それを音楽で解き放とうするするとき、ヒップホップのリズムは最良の手段となる。
世界がBTSに熱狂するのも、彼らが繰り出す重奏的なリズムが、精神の高揚をもたらしてくれるからだ。
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しかも、BTSのメンバーは自ら作詩と作曲を手掛けており、そのクリエイティブな魅力が素晴らしいビジュアルを通して伝わってくるので、ファンは常に心地よい余韻の中で彼らのパフォーマンスを堪能できる。
今後は、音楽の業界でもアジアから世界に大きなウェーブが起こる。事実、ビルボードは一番注目する音楽市場としてアジアを重視している。 その担い手になるのがBTSだ。
今後も彼らの存在が世界に「アジア」を強烈に印象づけていく。
（文＝康 熙奉／カン・ヒボン）前へ
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