“ポパイおじさん”の愛称で親しまれた韓国タレント、イ・サンヨンさんヨンさんの、生前の善行が改めて注目されている。
5月12日午前、ソウル・瑞草区にあるカトリック大学ソウル聖母病院でイ・サンヨンさんの出棺式が厳かに執り行われた。イ・サンヨンさんヨンさんは風邪をこじらせて病院に通院していたところ、途中で倒れて救急搬送されたが、9日に帰らぬ人となった。
1944年、忠清南道出身のイ・サンヨンさんは、元陸軍将校という異色の経歴を持ち、1971年にキリスト教放送CBSの司会者としてデビューした。1975年にはKBSの番組『集まれ 歌おう』で“ポパイ”のニックネームを得て、国民的番組『友情の舞台』の司会を務め、一世を風靡した。
そんな彼の訃報を受け、ネット上では「本物のポパイおじさんだった」と、その人生が再び称賛を集めている。
特に多くの人の胸を打ったのは、イ・サンヨンさんの“特別な寄付”だった。彼は毎日、銀行で新札の1000ウォン(約100円)札を100枚引き出し、それを1日100人に分けて手渡していたという。1カ月で、およそ300万ウォン(約30万円)を寄付していた計算となる。
2022年に放送された『特ダネ人生』では、足を引きずりながら銀行に向かって新札をおろし、それを飲食店スタッフ、靴修理職人、屋台商人、高齢の廃品回収業者などに「幸せのお金だよ」と言って2~3枚ずつ手渡す様子が紹介された。彼は「その人の状況に応じて2枚、5枚、20枚と渡します。1日に100枚、月で言えば300万ウォンくらい。困っている人が目についたら、見過ごすことなんてできません」と語っていた。
実際、ある飲食店のスタッフは「いつも新札をポケットに入れて持ち歩き、困っている人にお小遣いのように配っていました」と話し、ネット上でも「“助けて、ポパイ”の声があれば、どこへでも駆けつけた真のヒーローだった」と追悼の声が相次いだ。
「新札は福を呼ぶお金」と語りながら、人生をかけて“分かち合い”を実践し続けたイ・サンヨンさん。その温かい生きざまは、生前はもちろん、旅立った今も多くの人の心に深く刻まれている。
(記事提供=OSEN)
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