香港の名優レスリー・チャンさんがこの世を去って22年の時が経った。
2003年4月1日、チャンさん滞在していた香港のマンダリンオリエンタルホテルの24階から身を投げ、46歳という若さでこの世を去った。奇しくもエイプリルフールの出来事だったことから、“嘘であってほしい”という声が多数上がり、多くの人々が訃報を信じられずにいた。だが事実であることが判明すると、深い悲しみがアジア全体を包み込み、一部のファンは彼の後を追うという痛ましい事件まで起きた。
チャンさんは1977年にアルバム『I LIKE DREAMIN'』で歌手デビューすると、その後、『男たちの挽歌』『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』『欲望の翼』『さらば、わが愛/覇王別姫』『楽園の瑕』『君さえいれば/金枝玉葉』『ブエノスアイレス』『カルマ』など、数々のヒット作でメインキャストを務め、香港映画界の象徴的存在へと登り詰めた。
当時、香港映画人気が高かった韓国での知名度も抜群で、訃報は主要メディアで大きく取り上げられた。当時の韓国国内における人気は、現在のBTS(防弾少年団)にも劣らないほどだった。
チャンさんの死には、様々な憶測や陰謀論も浮上した。極度の高所恐怖症だったこと、亡くなる直前まで通常どおりのスケジュールをこなしていたこと、そして亡くなる10分前に親交の深かった女優と「5分後に会おう」と通話していたことが確認されたためだ。しかし、遺族によるとチャンさんは長年うつ病を患っていたとされており、警察も自らの手で人生を終わらせたと結論付けた。
“香港映画の顔”として長年親しまれた彼への追悼の声はいまも絶えない。命日を前に、今年も韓国国内では彼の代表作がリバイバル上映されている。3月26日には『さらば、わが愛/覇王別姫』のディレクターズカット版が公開され、31日には『欲望の翼』『恋する天使』のリマスター版が劇場公開された。
(記事提供=OSEN)
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