15歳以下の未成年女性を対象とした韓国のオーディション番組『UNDER 15』(原題)が「児童の性商品化」騒動を受けて緊急制作発表会を開いたなか、制作会社代表の発言に事実誤認があり、関係機関の反論に制作会社側が謝罪した。
【写真】幼すぎ…『UNDER15』出演の“2016年生まれ”練習生
3月25日午後、ソウル麻浦(マポ)区のスタンフォードホテルでは、ケーブルテレビ局MBNの新オーディション番組『UNDER 15』の緊急制作発表会が行われた。
同会には番組を手掛ける制作会社クレアスタジオのソ・ヘジン代表、ファン・イニョン代表、プロデューサーのヨン・ソギン氏が出席し、放送開始前から番組を取り巻く懸念に口を開いた。
『UNDER 15』は、文字通り満15歳以下のK-POP志望者の中から“次世代の才能”を発掘し、実力と個性を兼ね備えた第5世代ガールズグループを育成するというコンセプトのサバイバル番組だ。
当初は来る3月31日21時10分より放送開始予定だったが、事前に公開された予告映像において、未成年の参加女性が年齢に合わない濃い化粧をして露出のある衣装を着用し、まるで成人のガールズアイドルのように“魅力的さ”をコンセプトにしたポーズを披露姿が公開されたことで、視聴者の間で物議を醸していた。
また、出演者のプロフィール下段にバーコードのデザインも施されていたことから、「児童の性商品化」という指摘も受けた。
さらに、最年少の参加者が2016年生まれの8歳であることが明らかになると、韓国国内外のネットユーザーから批判が集中。特に、未成年に対する犯罪に敏感な海外ネットユーザーから制作陣へ厳しい叱責が飛んだ。
こうした状況を受け、番組を放送するMBNは「『UNDER15』と関連し、韓国社会の各界各層の懸念を重く受け止めている。これと関連し、番組の詳細はもちろん、放送の可否などを全面的に再検討した後、近いうちに立場を明らかにする」と伝えた。
一方、クレアスタジオは「参加者たちは全員、本人の参加意思確認および保護者の同意の下に番組に支援してくれた大切な人材だ。制作陣も撮影時、未成年者である出演者を保護するための録画遵守事項を厳格に守ってきた」とし、「制作陣は参加者、保護者と相互で積極的な議論過程を経て衣装及びスタイリングを決め、練習時間も録画週間の場合、最大35時間を遵守し、保護者と制作陣が練習室のピックアップと常時ケアを進めた」と説明した。
そして、「ただ、まだ初回が公開されていない時点でさまざまな議論がふくらみ、『UNDER15』に参加した幼い参加者から保護者まで深刻な衝撃と傷を受けている非常に悲しくて残念な状況だ。これに対し、制作陣は公式ユーチューブを通じて本編と関連したティーザー映像を近いうちにアップロードする予定だ。幼い参加者たちの情熱と制作陣の誠実な思いを確認できると確信し、ぜひ映像を直接確認し、評価してくださるようお願いする」と呼び掛けていた。
それでも、予告編公開以降収まる気配のない批判に制作会社は緊急報告会を開き、涙の訴えを伝えた。
特に、ソ・ヘジン代表は前出した「全面再検討」というMBNの声明と異なり、制作会社として「ぜひ映像を直接確認し、評価してほしい」と事実上の“放送強行意思”を示した点について、「MBNと我々の意見が違ったわけではない。相談もしたし、MBNとしてもプラットフォームであるが責任を感じるため、再検討という意志表現をした」と伝えた。
また、ソ・ヘジン代表は「我々はすでに2週間前、1編について審議チーム、企画室、編成チームが全て確認し、放送通信委員会や放送通信審議委員会にも完成版を提出した。その方々が何の問題もなく、内部的に検討されたので、我々はこの編集版を議論を払しょくさせるためにユーチューブに公開したと予め申し上げた」とし、双方の同意があったうえで映像公開が進められたことを強調した。
ただ、このソ・ヘジン代表の回答に誤りがあったようだ。放送通信審議委員会が同氏の発言に即反論したのだ。
放送通信審議員会側は「当委員会は、“放送通信委員会設置及び運営に関する法律”第21条及び“放送法”第32条に基づき、すでに放送された番組を対象に審議を経て、審議規定違反の有無を判断する“事後審議”をしている」と伝えた。
続けて、「放送以前に番組の完全版を受け取ったことがなく、これを検討し、審議規定違反の有無に対する意見を伝達したという主張は事実と異なるので関連内容を正す。併せて、公式の場で事実と異なる主張をしたクレアスタジオ側に強い抗議の意を伝えたことを知らせる」と遺憾を示した。
これを受け、クレアスタジオ側は本サイト提携メディア『OSEN』に対し「放送通信審議委員会に関する話は詳細に答えられなかった。申し訳ない」と謝意を伝えた。
また、「1回分を事前に試写した後、問題がないと回答を受けたのはMBN側であり、放送通信審議委員会を懸念してMBN側が1回分を提出したと聞いただけで、結果については聞いていない」と明らかにしている。
(記事提供=OSEN)
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