韓国芸能制作者協会が、NewJeansに対しADORとの専属契約解除の“撤回”を求める声明を発表した。
韓国芸能制作者協会は12月6日に声明を発表し、「最近、NewJeansと所属事務所との間で浮上した専属契約解除をめぐる議論は、韓国の大衆文化芸術産業全体に深い衝撃を与えている。私たちの自負心であり、世界が注目する文化資産であるK-POPは、NewJeans騒動によってその根から揺らいでいる。社団法人韓国芸能制作者協会は、今回の件をこれ以上黙過できないという気持ちで強く立場を表明する」と主張した。
韓国芸能制作者協会は1992年5月16日に設立された社団法人で、韓国の芸能・音楽産業を主導する音盤、公演、マネジメント専門企業などで構成された韓国の大衆文化芸術団体だ。
現在、協会には音盤、公演、マネジメント専門企業441社が加盟しており、会員社を通じて約5500人の所属芸能人が活動している。韓国マネジメント連合、韓国芸能マネジメント協会と並んで韓国国内の3大芸能事務所関連団体とされている。
協会は声明内で、NewJeansに対し「一日も早く、無理強いで無責任な主張を撤回し、初心に戻って正常な活動を継続することを要請する。国内外で独自の芸能活動を試みているのであれば、これを直ちに中断し、所属事務所との対話を含む前向きな態度を示すことを強く促す。タンパリング疑惑のような違法行為については、徹底した真相調査が行われることを願っている」と呼び掛けていた。
なお、NewJeansは去る11月28日午後に緊急記者会見を開き、ADORとの専属契約解除を宣言した。NewJeansはADORに送った内容証明で是正要求をしたが、これが受け入れられなかったとし、11月29日0時をもって専属契約を解除し、今後は自由に活動するという意志を示した。
会見当時、「ADORはNewJeansを保護する意志も能力もない」と痛烈に批判したNewJeansは、「私たち5人はこれまで、ADORの所属アーティストとして専属契約上の義務を誠実に履行してきた。専属契約解除はひたすらにADORの義務違反によるものなので、私たち5人は違約金を払う必要もない」と主張していた。
一方、ADORはNewJeansの専属契約解除宣言に遺憾を表わし、「ADORは契約に違反しておらず、一方的に信頼が崩れたと主張するからといって、解約理由にはなり得ない。ADORとNewJeansのメンバー間で締結された専属契約は依然として有効だ」と主張。そして12月5日、ソウル中央地裁に3日付で、NewJeansとの専属契約が有効に存続している点を確認する訴訟を提起したことを発表していた。
以下、韓国芸能制作者協会の声明全文。
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第一に、専属契約は単なる契約ではなく、相互信頼と約束の結実です。一方的な主張だけで専属契約を解除できるという発想に大きな懸念を表します。
契約解除は、これを主張する側が正当な理由を証明してこそ行われることができます。しかし、NewJeansは理由を裏付ける具体的な証拠を提示しませんでした。
さらに、所属事務所とアーティストの間で締結した契約事項を外れた一部の無理な是正要求と、契約解除の手続きを破って記者会見を開き、一方的な専属契約解除を知らせたことは、責任ある契約の当事者として非常に無責任な行動であり、これは法的基準と産業的慣行をすべて無視したもので、強く批判されて当然です。
第二に、NewJeansが専属契約満了前、アーティストを誘引する「タンパリング」疑惑に関与したという点はさらに大きな懸念を生みます。
現在、NewJeansは専属契約の途中、所属事務所の内部人材が第3者と積極的に結託し、契約解除を誘導したという疑いを受けています。
もしこれらの疑惑が本当なら、これは高度に発展した新種のタンパリングに相当する可能性があります。タンパリングは、エンターテインメント業界の信頼を根こそぎ崩す致命的な行為です。
これは単純な契約違反の局面ではなく、所属事務所とアーティストが長い間ともに築いてきた協力関係を裏切る行動です。
NewJeansのような有名K-POPアーティストがタンパリングに関与したということが事実であれば、私たち大衆文化産業全体にとって拭えない傷になるでしょう。
第三に、早期に成功を収めた3年目のグループ、NewJeansの一方的な解除宣言は、大韓民国の大衆文化芸術産業の持続可能性を脅かす非常に危険な先例を残す可能性があります。
所属事務所はアーティストを発掘し、育成に対するリスクを甘受し、そのために莫大な時間と資本を投入します。アーティストの育成は単なるビジネス関係を超えて、相互信頼と献身の産物と言えるでしょう。
しかし、デビュー時から大きな成功を収め、一躍グローバルアーティストとなったNewJeansが、契約期間の半分にも満たない時点で危険な負担を甘受しようとした点、そしてこれと関連したタンパリング疑惑は、所属事務所とアーティスト間の関係を崩し、産業全般に対する信頼度を大きく下落させ、投資を大きく萎縮させる結果を作っています。
もしこのような形の契約解除通知が容認されるのであれば、果たして誰が大韓民国のK-POP市場に投資できるのでしょうか?
社団法人韓国芸能制作者協会は、NewJeansが一日も早く、無理強いで無責任な主張を撤回し、初心に戻って正常な活動を継続することを要請します。
また、国内外で独自の芸能活動を試みているのであれば、これを直ちに中断し、所属事務所との対話を含む前向きな態度を示すことを強く促します。
さらに、タンパリング疑惑のような違法行為については、徹底した真相調査が行われることを願っています。
最後に、国会及び政府関係者の方々に心から要請します。
大衆文化芸術産業は企業の資本から始まりますが、一人のスターが作られる過程と動くすべての過程には、その企業に携わっている数多くの勤労者たちの激務と犠牲による下支えがあります。
したがって、アーティストとの専属契約紛争とタンパリング問題は、企業の存立とともに、これまで従事していた数多くの勤労者たちの生計とも深刻に直結するだけに、これ以上アーティストの一方的な解除通知のような問題が発生しないよう、確実な補完策を用意してくれることを改めて丁重に要請します。
ありがとうございます。
◇NewJeans プロフィール
2022年7月22日にミュージックビデオを公開しながら電撃デビューした5人組ガールズグループ。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲(『Attention』)がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートインした。
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