俳優や歌手にとって最も重要なのは本業だ。
俳優は演技が上手でなければならず、歌手は歌唱力とステージパフォーマンスで特別な強みがなければならない。
自分の領域で真価を発揮したときに“バラエティスキル”が後押しすることで、そのアイドルには新たな翼が生える。人々に楽しさをもたらすことができる俳優や歌手は多くの大衆に愛される。
そして、ガールズグループNMIXXでリーダーを務めるヘウォンこそ、現在、バラエティスキルが最も目立つ女性アイドルと言える。
NMIXXはアイドルファンダムの間で「最も面白いガールズグループ」に選ばれている。ヘウォンやベイ、ジウを筆頭とするメンバーたちのバラエティスキルは、ガールズグループの“オールタイムナンバーワン”に近いという評価だ。その中心には、常にリーダーのヘウォンがいる。
彼女はコメディアンにも劣らない多様な特技を兼ね備えている。
1970年代のような話術をはじめ、多彩なモノマネ、口に出しさえすれば飛び出す時代別トレンドダンスなど、抜群の才能を誇る。また、瞬発力とウィットに富んだ進行力も卓越しており、ほかのメンバーを適切にいじりながらも、自分も適切にいじられる能力も優れている。
おかげで、NMIXXはいつも活気と笑いに満ちている。
ヘウォンの才能を世に知らしめた作品は、ユーチューブのウェブバラエティコンテンツ「ワークドル」だ。
シーズン1でゲストとして出演した際に才能を見抜いた制作陣は、ヘウォンをシーズン2からメインMCに起用した。
「ワークドル」は一日アルバイトの経験をする観察バラエティ。ヘウォンもチアガールやホテル、飲食店、CAなどさまざまな業種を経験した。
ヘウォンは「アルジャルタッカルセン(“言われなくても、自分で上手くしっかりセンス良く”という意味の韓国の造語)」なアルバイトのイメージとあらゆるミームを得た。面白さは自然についてきた。見ているだけでも可愛くて微笑ましい笑みが広がる。
特に、CAのアルバイトをした際、鏡を見ながら腕を上げて「ウェモ(外見)チェック!」と話す場面は、韓国のすべての芸能人が真似するほど強力なミームに広がった。今や「ヘウォンと言えば”ウェモチェック”」と言われるほどだ。
MBCのバラエティ番組『ラジオスター』では、ヘウォンがこれまで積み上げてきたすべてのバラエティスキルが発散された。彼女は休む暇もなくギャグを披露し、多彩な特技を完璧に披露した。
そのなかで、所属事務所JYPエンターテインメントの社長であるJ.Y.Parkことパク・ジニョンをいじるセンスも目立った。「韓国アイドルで一番面白い」という評価を受けているSUPER JUNIORのキム・ヒチョルの女性バージョンと言える。
バラエティで鍛えられたとはいえ、単に笑わせるだけの存在ではない。NMIXXはK-POP第4世代のガールズグループで最も実力が高いという評価を受けている。
“言う通りになる”という「MIXXTOPIA(ミックストピア)」の世界観がハッキリせず、これまでリリースした楽曲は実験性が強かったこともあり、多少遅れてファンダムを確保したが、時間が経てば経つほど慣れ、人気がより堅固になった。
本紙『スポーツソウル』は「第33回ソウル歌謡大賞」が開催された今年1月、タイでヘウォンにインタビューをした。
優れたバラエティスキルを発揮するだろうという期待とは異なり、ヘウォンは厳粛かつ真剣に、謹厳にインタビューに臨んだ。「面白いだけではなく、本業を上手くやらなければならない」という鉄則を姿勢で示したわけだ。
歌手として笑わせることはあくまで“翼”だという賢さも感じられた。才能はもちろん、自身を客観視できる謙虚さもある。
老若男女を問わず愛されるスターとしての資質がうかがえる。いずれ遠くないうちに「ヘウォンの時代」が到来するはずだ。
◇ヘウォン プロフィール
2003年2月25日生まれ。本名オ・ヘウォン。2017年にJYPエンターテインメントの公開オーディションに参加し、合格。同社の練習生となった。NMIXXではリーダー及びメインボーカルを務めており、高い歌唱力と安定感のあるパフォーマンスに定評がある。男女を問わず愛される清純で優雅なビジュアルは、「万人の初恋」と称されるほど。その一方で“グループ屈指のギャグ要員”のポジションも確立しており、トリッキーな行動や言動がたびたび話題にのぼる。
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