「ファン心を悪用するHYBEの最悪の商法」K-POPの“負の側面”に警鐘鳴らす団体がBTS事務所前でデモ

2024年09月05日 話題

K-POPファンがプラスチックアルバムの大量購買を誘導する企業のマーケティングに警鐘を鳴らすキャンペーンを行った。

【写真】渋谷に捨てられた大量のHYBE歌手のCD

9月4日、“持続可能なK-POP”を追求するグローバル気候運動団体「KPOP 4 PLANET」(以下、K4P)は、BTSなどの人気グループが所属するHYBEの本社前で、「プラスチックアルバムの罪悪」(Plastic Album Sins)を主題としたパフォーマンスを行った。

併せて、8月に世界のK-POPファン約1万2000人が参加したアンケート調査の結果も公開している。

K4Pは公式アカウントを通じて、「リサイクルもできないプラスチックアルバムを重複購入して、“地球、ごめんね”と感じたことがあるなら注目!!!私のファン心を悪用するHYBEの最悪の商法に投票してください」というアンケートを実施。結果、ファンは「アルバムを多く購入するほどサイン会への参加確率が高くなるマーケティング」(42.8%)をHYBEの最も悪質な商法に挙げたという。

K4P
(写真=K4P)

続いて「このような悪質なマーケティングが環境を汚染している」として、HYBE本社前に設置された、パン・シヒョク議長のポップの手から伸びる赤い紐を切るパフォーマンスを繰り広げた。

なお、HYBEをはじめとするエンタメ企業は、さまざまな方法でCDの販売量を増やそうとしている。一つの作品でカバーだけを変えた複数バージョンを発売したり、希望するフォトカードが出てくるまで購買を誘導するランダムフォトカード、複数枚買うほど当選確率が上がるファンサイン会応募券などの商法は、多くの国で批判的に扱われたが、今も変わっていない。

同じCDを100枚以上も買うという異常性

K4Pは今年3月に「K-POPファンが一度に5枚以上の多くのアルバムを購入する理由は?」というアンケートを実施し、ファンに直接尋ねたりもしている。約1万4000人のファンが参加した同調査では、「フォトカード収集のため」(36.5%)、「サイン会への参加チャンスを高めるため」(27.7%)と答えられていた。

HYBE所属グループのファンだというある大学生(23)は、「ファンサイン会に行くために同じアルバムを100枚以上購入し、家に箱ごと積んでいる」と話す。

BTS
(写真提供=OSEN)HYBE所属のBTS

このような企業努力のおかげか、デジタルストリーミング全盛の今もK-POPアーティストのCDの販売量は急増している。2014年は737万枚に過ぎなかった400位圏のCD販売量(韓国音楽チャート:サークルチャート調べ)は、昨年、1億1577万枚と爆発的に増加。それに伴い、各社のプラスチック使用量も大幅に増えた。

韓国・環境部(日本の環境省に相当)の資料によると、2022年にエンタメ企業がCD、フォトカード、包装ビニールなどで使用したプラスチック量は801.5トンに達したという。これは2017年の55.8トンと比較して、14倍以上も増加した数値だ。

業界は環境にやさしい認証紙と生分解素材の使用をアピールしているが、根本的なマーケティング方式は変わっていない。大量に購入されたアルバムは廃棄物となり、環境汚染問題に繋がる。

特に、CDはリサイクルが難しいポリカーボネートで作られており、包装に使われるPVCはリサイクルする過程で有毒物質が発生する。その上、これを処理する施設さえ不足している状況だ。

「HYBEが要求に答えるまで止めない」

K-POPの世界的影響力が高まった反面、海外でもこのような問題を指摘する声が出ている。米カーネギーメロン大学の韓国学客員教授Mathieu Berbiguier氏は、「エンタメ企業が掲げる環境にやさしい努力は、ファンの真の要求をまともに理解していない。ファンサイン会のイベント方式とフォトカード収集システムを変え、ゴミの発生を減らさなければならない」と話す。

また、持続可能な音楽産業のためのNGO「Music Sustainability Alliance」のKurt Langer理事は、「海外でもK-POPマーケティングを模倣し、より多くの化石燃料が使われている。今はK-POPが環境にやさしい変化へと先導しなければならない時」と強調した。

K4Pは世界的に最も多くのファンを保有しているHYBEが、その変化を先導しなければならないと指摘する。HYBEは2023年に計4360万枚(サークルチャート調べ)以上のCDを販売するなど、影響力を全世界に拡大しているためだ。

パン・シヒョク
(写真提供=OSEN)パン・シヒョク議長

そんなHYBEは今年5月、韓国エンタメ企業としては初となる大企業集団に指定された。ただ、環境配慮のビジョンを掲げているにもかかわらず、実際にはプラスチック使用量が2022~2023年の間に77.9%増加。また、韓国ESG基準院が4大エンタメ企業(HYBE、JYP、SM、YG)を対象に評価した持続可能経営報告書でも、環境部門で最下位を記録している。

K4Pは対応として、HYBEにプラスチックゴミを誘発するマーケティングの中断を要求する公開書簡を発送し、HYBEが業界を率いる責任感を示すことを促した。

K4P
(写真=K4P)

K4Pのキャンペーン担当者イ・ダヨン氏は、「ファンがいなければ今のK-POP産業はない。HYBEが私たちの要求に答えるまで、私たちは止めない」と述べている。現在まで、HYBEは公開書簡に対する公式回答を出していない。

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