HYBEとADORの騒動が兵役で不在のBTS(防弾少年団)にまで飛び火した。鎮火は一筋縄ではいかないようだ。
【写真】ミン・ヒジンの「クソジジイ」会見がまさかのTシャツに
4月28日午後、BTS所属事務所のBIGHIT MUSICはファンコミュニティプラットフォームWeverseで、「最近、BTSの名誉を傷つけ、陰湿に攻撃しようとする組織的な動きが多数感知された」として、「アーティストに向けられた悪意的な誹謗とデマ造成、虚偽事実流布、無分別な侮辱、嘲弄の度を越えている」と明らかにした。
主な疑惑は、過去のBTSの“CD買い占め”疑惑に関する判決文、そして「花様年華」シリーズのアイデア盗用疑惑、カルト宗教団体との関連疑惑などだ。
しかし、大部分の疑惑は具体的な証拠もなく、つぎはぎの内容だ。特に、BTSの違法マーケティング疑惑については、2017年にすでにBig Hitエンターテインメント(現BIGHIT MUSIC)が事実関係を否認している。
当時、Big Hitは「当社は、2年前に当該事件の犯人であるイ氏にアルバムマーケティングのため、広告・広報代行を依頼した経緯があるが、特別な成果もなく、1度きりのプロジェクトで終わった。その後、イ氏は2017年初めにBig Hit担当者に不適切なマーケティング活動に対する資料があるとし、金を払わなければ報道機関やSNSに流すという金銭的な脅迫および恐喝をした」と明らかにした。
続けて、「イ氏は拘束、捜査の末、2017年8月31日に暴力行為などの処罰に関する法律違反(恐喝)、詐欺などの罪目で懲役1年を宣告された」と、事件の一連について説明していた。
だが、このような過去の出来事が蒸し返された原因は、最近のHYBEとADORミン・ヒジン代表との葛藤が深刻化しているためではないかと囁かれている。
BIGHIT MUSICは今回の事案に関して法的措置を取るとしており、本紙『スポーツソウル』に前述の疑惑は事実ではないと伝えた。
余波はこれだけではない。
HYBEのADORへの監査から始まった今回の“お家騒動”。HYBEはミン・ヒジン代表がADORの経営権奪取を試みたとし、背任の疑いで告発した。
併せてHYBEは、ミン・ヒジン代表が“巫女”に相談して会社の重要な方針を決めていると暴露するなど、想像もつかない領域へと達している。
ミン・ヒジン代表はHYBEの主張に対して、25日の記者会見で反論。「HYBEが日常的な会話とジョークを組み合わせて、自分(ミン・ヒジン)を追い出そうとするフレームを作った」と主張したのだった。
HYBE上層部に対して「クソジジイ」と口汚く罵るシーンがセンセーショナルに報じられた一方で、これまでK-POP産業で蔓延していた「ランダムフォトカード」「押し出し」などの商法についても言及し、警鐘を鳴らしていたミン・ヒジン代表。大手事務所のプロデューサーが、CD販売量の引き上げについて言及したのは今回が初めてだ。
「押し出し」とは、芸能事務所とCD流通会社が、中間販売業者にCD の一部分を“押し付けて”買わせるという方式。ただ、その代わりに、販売業者が購入したCDを売り切るまで、事務所側はグループのファン向けサイン会、映像通話イベント、いわゆる“ヨントン”などを開く。このやり方により、アーティストはより多忙となり、ファンもやはり複数のCDを購入することになるのだ。
また、ミン・ヒジン代表は、ランダムフォトカードや複数種のCDジャケットなどについても指摘し、「悪質にフォトカードを売らず、コンテンツで勝負しようと言った」と一喝。「ランダムフォトカード」は、CD販売枚数を上げるための一種の“エサ”で、ファンが自身の“推し”を引き当てるまで多くのCDを買わせる手法だ。
ミン・ヒジン代表は、このような手法に対して「ファンに負担を押し付け、市場をかく乱させる行為」と皮肉り、自身が手塩にかけて育てたNewJeansは「そのようなことをしなかった」とも話した。
このようなミン・ヒジン代表の主張を踏まえ、音楽系事務所の関係者は、「ミン代表の発言で発生した逆風により、BTSの過去の疑惑まで再浮上し、他事務所にまで飛び火するのではないかと緊張している」として、「フォトカード、押し出しなどは一般的なマーケティングで行われた状況なので、大手事務所だけでなく、中小事務所までやったことはない会社はないだろう」と話す。
泥沼争いが激化するなか、NewJeansは27日に新曲『Bubble Gum』のミュージックビデオを公開し、5月にリリースされるニューシングル『How Sweet』の予約を開始した。
『Bubble Gum』MVは29日9時の時点で、ユーチューブでの再生回数が1300万を突破するなど、お家騒動がNewJeansのカムバックに水を差すのではないかという憂慮は杞憂に終わった。むしろ、騒動が好影響を及ぼしたという見方もある。
もはや一事務所の内紛を超え、業界全体に波及している今回のHYBEとミン・ヒジンの戦争。どのような結末を迎えるのか、今後も目が離せない。
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