俳優チェ・ミンシクの「映画のチケット代が高い。少し下げてほしい」という発言を大学教授が批判した。
韓国トップの大学のひとつ、KAIST(韓国科学技術院)の経営工学部イ・ビョンテ教授は8月21日、自身のフェイスブックを通じてチェ・ミンシクの発言を「世の中で最も安っぽい発言だ」と非難した。
イ教授は「映画館事業が民間企業であり権力集団でもないのに、価格引き下げを要求するのがどうして信念の発言なのか?」と述べた。
続けて「この発言に勇気がいるのだろうか? 映画の観覧料があまりにも上がったから最低賃金を引き下げろと言ったのであれば、私は信念の発言と認めよう。価格が下がって観客が増え、利益が増えるのなら、企業は下げろと言われなくても下げる」と主張した。
さらに「パンデミックの中で映画館は倒産の危機に直面していたが、俳優チェ・ミンシクは自身が出演した映画を上映してくれる劇場のために、出演料を寄付でもしたのか? 映画館事業は、タダで行っているものだと思っているのか、それとも慈善事業だと思っているのか?」と語った。
また「市場価格を消費者の望むままにできるのであれば、世の中にビジネスはなく、経済も存在しない。それなら俳優という職業もない。ちなみに教えておくが、映画館はチケットで儲けるビジネスではない。安いチケットで観客を誘い、ポップコーンや飲み物を売って儲けるビジネスだ。映画のチケットはおとり商品だ」と説明した。
続けて「金利が上がり、家賃も上がる。最低賃金が上がり、劇場清掃スタッフの人件費も上がった。映画の版権もある。あなた方が恩恵を受けている映画振興基金という準租税まですべて含めて、あなたが1万5000ウォン(約1500円)以下でビジネスができるのなら、他の企業の劇場に要求するのではなく、あなた自身が劇場を立ち上げて安くビジネスをしてみろ」と批判した。
最後に「何でもかんでも信念の発言と言うが、ただの無知な発言だ。世の中で最も安っぽい発言は、他人のお金でいい顔をしようとする主張だ」と付け加えた。
先立ってチェ・ミンシクは、8月17日午後に放送された『ソン・ソッキの質問』(MBC)に出演し、「今、映画館の料金もかなり上がった。少し下げてほしい。急にそんなに上げたら、私だって行かない。例えば今、(チケット代が)1万5000ウォンだ。ストリーミングサービスにすれば、座っていくつも見られる」と自身の考えを明らかにして話題を集めた。
なお韓国の映画振興委員会によると、今年上半期の国内映画館の総売上は6103億ウォン(約610億円)、観客数は6293万人だった。前年同期比で微増となったが、コロナ以前である2017~2019年の上半期(8390億ウォン・1億99万人)に比べると、大幅に下がっていることがわかる。
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