『パラサイト』俳優が薬物に手を染めた背景、経緯を専門家が分析…「刺激、快楽を求めた」可能性

2023年10月30日 話題

富と名声を手にした俳優イ・ソンギュンは、なぜ過ちを犯してしまったのだろうか。

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違法薬物に関わった“トップスターL氏”として取り上げられてから9日が経過した10月28日、イ・ソンギュンは仁川論峴(インチョン・ノンヒョン)警察署に出頭した。今まで見たことのないほどやつれ、何日も眠れていないかのような疲労しきった表情だった。

イ・ソンギュンは署の前に集まった記者たちに腰を90度曲げて謝罪し、ため息をつきながら家族に関しても言及。泣きそうな声で謝罪していた。「不祥事に巻き込んでしまい、多くの方々に申し訳なく思う。何よりも、私を信じて支持して下さったすべての方々に謝罪する」とし、「誠実に捜査に臨む。今、この瞬間、あまりにも激しい苦痛に耐えている家族に申し訳ない。改めてお詫びする」と述べた。

1時間20分ほどの調査では、携帯電話と小便、毛髪を提出し、簡易キットを用いた簡単な薬物検査が行われた。警察によると簡易検査では陰性判定が出たという。

イ・ソンギュン
28日、警察に出頭したイ・ソンギュン

警察は近くイ・ソンギュンを召喚し、正式な調査を進める予定だ。日程は決まっているものの、まだ公開されていない。

投薬可否、種類、回数

疑惑から始まり、ようやく捜査が本格化してきた今回の麻薬事件。発覚による衝撃が一段落した今、量刑に注目が集まる。

麻薬事件は一般的に、科学捜査と事件関係者の陳述を通じて投薬可否と回数、種類を特定する。

28日の検査は簡易的だったため、直近10日以内に投薬したものでなければ明らかにできなかった。そのため、警察は国立科学捜査隊にも検査を要請しているが、1カ月ほど時間がかかる見込みだ。

法務法人セナのペク・チユン弁護士は本件について、「科学捜査隊の調査結果を見れば、いつ麻薬を使用したのか特定できる」とし、「投薬の有無が確認されれば、回数と種類で加重処罰範囲を定める。麻薬犯は決して一度だけではない」と話した。

麻薬と知らずに投薬?

なお、イ・ソンギュンはマスコミの報道以降、一度も投薬の“有無”を明らかにしていない。

今回の事件は遊興施設の関係者とも関係があるだけに、本人の意志とは関係なく麻薬を投薬されたかもしれないとも推測されている。

ペク弁護士は「大麻は香りも強く、タバコのように燃やす形なので知らないわけがない。ただ、粉末状の麻薬は知らないかもしれない。さらに、強烈な性関係のために“興奮剤”と騙したりするケースは多い。水や飲み物に混ぜて飲むと分からないこともある」としつつも、「いくら自分が知らなかったとはいえ、減刑理由にはならない」と見通した。

続いて「投薬後に性関係を持つ場合、当時の快楽を忘れることができず、中毒になったりする。最近は種類も多く、2種類以上の成分が混ざったものも多い。種類が多いからといって、回数も多いとは限らない。種類によって処罰の程度が異なるからだ」と説明した。

富と名声を手にした大物がなぜ…

イ・ソンギュンは下積みが短かった俳優として知られる。比較的早い段階で主演クラスとなり、10年以上にわたって多くの作品に出演してきた。

最近明かされたように、ドラマ1話当たりの出演料はなんと2億ウォン(約2000万円)にも上る。そのほか広告費やイベント出演費を考慮すると、相当な財を成したと考えられる。

また、カンヌ国際映画祭はもちろん、アカデミー授賞式などにも参加し、韓国映画の地位を高める一助になったりもした。そんな彼が、どのように遊興施設に通い始め、麻薬に手を染めたのか、一般人には理解できないだろう。

ソウル北部地方検察庁のイ・ギョンアカウンセラーは「物質的な豊かさは精神的空虚を伴う恐れがある。経済的に不足はなかったが生活が無味となり、相対的に精神的空虚を頻繁に感じる可能性がある。ストレスと衝動に弱いほど新しい刺激を求める欲求が強い」と話した。

続いて「その過程で性格的気質が刺激追求型であれば、より一層麻薬と関わる可能性が高い。危険回避タイプは臆病で犯罪を躊躇する反面、刺激追求タイプは快楽に誘惑されやすい。一般化することはできないが、大衆からの関心を楽しむ芸能人は概して刺激追求タイプが多い」と説明した。

◇イ・ソンギュン プロフィール

1975年3月2日生まれ。2001年、MBCのシチュエーションコメディ『恋人たち』(原題)でデビュー。2007年のドラマ『白い巨塔』韓国版で正義感の強い“チェ・ドンヨン(日本の里見脩二)役”を演じてブレイクし、『コーヒープリンス1号店』『パスタ~恋が出来るまで~』『ゴールデンタイム』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』と数多くの人気ドラマに出演した。映画『僕の妻のすべて』『最後まで行く』『パラサイト 半地下の家族』などでも高い演技力を発揮。プライベートでは2009年5月に女優チョン・ヘジンと結婚しており、同年11月に長男が、2011年8月に次男が産まれている。

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