新しい韓国ドラマ『スノードロップ』(JTBC)が初放送後、国民請願の掲示板に登場して議論の対象となっている。放送中止を求める請願の賛同者は、すでに20万人を超えた。
去る12月18日に韓国JTBCで初放送された新ドラマ『スノードロップ』は、1987年の大統領選挙の政局を背景に政治的陰謀と諜報戦、そのなかで花開く男女のロマンスを描く。
主演は俳優チョン・ヘインとBLACKPINKのジス。さらに大ヒット作『SKYキャッスル』の脚本家ユ・ヒョンミとチョ・ヒョンタク監督が再び手を取ったことで、放映前から話題を集めた。ところが、放送前にシノプシス(あらすじ)の一部が公開され、一部からは「歴史歪曲があるのでは?」という反応が出たことがある。
オンライン上では、歴史歪曲議論によってたった2話で放送中止となったSBSの『朝鮮駆魔師』(原題)の事例があったため、強めに制作陣の立場表明を求めた。JTBC側は当時、「騒動は流出した未完成のシノプシスとキャラクター紹介の一部の説明文の組み合わせで構成された、断片的な情報から始まった。その情報に疑惑が加わり、事実ではない内容で覆われた」と、早々と解明した。また放送が始まれば、歴史歪曲の議論は絶対に起きないと念押しした。
そんななか12月18日に放送された『スノードロップ』第1話では、ホス女子大学1年生であるヨンロ(演者ジス)が、在独同胞出身の大学院生に偽装したスホ(演者チョン・ヘイン)と劇的に再開する姿が描かれた。4対4の集まりに出たヨンロはスホに一目惚れし、紆余曲折の末にまた会う約束をしたが、スホは約束の場所に現れなかった。
6カ月後、スホは北朝鮮から受けた任務を遂行しながら安企部(安全企画部、現在の国家情報院)に追われ、大怪我を負った状態でヨンロのいるホス女子大学の寄宿舎207号寮に隠れ入った。安企部の職員たちが寄宿舎に入ってきた危機的な状況で、血まみれの男を発見したヨンロは、その男が6カ月前に出会ったスホであることに気付いた。2人が再会したところで第1話は幕を閉じている。
第1話が放送されると、翌19日、韓国大統領府ホームページに設置された国民請願掲示板には、「ドラマ『スノードロップ』放映中止請願」というタイトルの請願文が上がった。
その請願者は、「制作陣は当時、“まったくそのような意図はなく、男女主人公が民主化運動に参加したり率いたりする設定は台本のどこにも存在しない”と主張した。しかし第1話が放映された現在のドラマで、女主人公はスパイである男主人公を運動家と誤認して救ったりした」とし、「民主化運動当時、根拠なくスパイと見られて拷問を受けて死亡した運動圏の被害者が明らかに存在し、そんな歴史的事実があるにもかかわらず、その内容のドラマを作ったのは明らかに民主化運動の価値を毀損させることだと思う」と主張した。
続いて「スパイの男主人公が逃げて、安企部のサブ男主人公が追いかけていくとき、背景として『ソラ、プルルン、ソラ』(原題)が流れた。この歌は民主化運動当時、使われた歌であり、そんな歌を1980年代の安企部を演じた人とスパイを演じる人の背景音楽として使ったこと自体が容認できない行為」と話した。
『スノードロップ』の放映中止を求めるその請願には、12月20日現在、20万人以上が賛同しており、各種オンラインコミュニティでも様々な議論が行われている。韓国の国民請願は、30日以内に20万人以上が賛同すれば、政府関係者の公式回答を聞くことができるため、その回答が待たれる状況だ。
ただ反対意見も存在する。過剰反応について指摘し、「ドラマをもう少し見守ろう」「まだ初放送を終えたばかりのドラマに対して過度な非難は控えるべきだ」などの意見もある。
なお『スノードロップ』は韓国JTBCで12月18日から放送され、日本では「Disney+(ディズニープラス)」の新コンテンツブランド「スター」にて12月19日から配信された。
(記事提供=OSEN)
■放送中止を求める声多数…BLACKPINK主演の韓国ドラマ『スノードロップ』の問題点とは?
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