トップクラスの映画俳優がドラマへ“大移動” 韓国ドラマ市場にかつてない変化が生じているワケ

2025年08月14日 話題

2024年と2025年の韓国ドラマ市場は、かつてない「映画からの大移動」を目の当たりにしている。

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コ・ヒョンジョン、マ・ドンソク、ソン・ガンホ、チェ・ミンシク、イ・ジョンジェなど、韓国映画界の柱ともいえる名前が次々とドラマへ歩みを進めているのだ。

かつてなら「ドラマ進出」は新たな挑戦と受け止められていたが、今ではむしろ「コンテンツ拡張」という自然な流れとして認識されている。

ドラマはもはや映画の「亜流」ではない

こうした変化は単なる俳優個人の選択にとどまらず、産業構造の変化と密接に関わっている。新型コロナウイルスのパンデミック以降、韓国映画産業の規模は縮小した。

観客の視線は映画館だけでなく、OTT(オンライン動画配信)やテレビへと分散された。

イ・ジョンジェ
(写真提供=OSEN)イ・ジョンジェ

Netflix、ディズニープラス、Wavveなどのグローバルプラットフォームが制作する大作ドラマは、数百億ウォン(数十億円)規模の制作費と映画並みのスタッフを投入し、クオリティを引き上げた。

映画監督や制作会社がドラマ演出に参入することで、ドラマはもはや映画の「亜流」ではなく、もう一つのプレミアムコンテンツとして位置づけられるようになった。

週52時間勤務制の導入も撮影環境を変えた。2018年7月から従業員300人以上の事業場では週52時間勤務制が本格的に施行され、約1年の指導期間と3カ月の処罰猶予期間を経て、2019年からは全放送局に本格的に導入された。

これにより、過去のような徹夜撮影や直前に渡される「つぎはぎ台本」に頼るスタイルは減少。企画段階から十分な脚本と制作期間が確保されるようになった。

あるマネジメント会社の関係者は「制作環境が安定し、俳優たちが長期間にわたる作品も負担なくこなせるようになった」と話す。

この流れをいち早く体感した俳優たちは、すでに成果を上げている。ソン・ガンホとチェ・ミンシクはディズニープラスの『サムシクおじさん』と『カジノ』で、イ・ジョンジェは『イカゲーム』を通じて、グローバル舞台でのドラマヒットを証明した。

ソン・ガンホ
(写真提供=OSEN)ソン・ガンホ
チェ・ミンシク
(写真提供=OSEN)チェ・ミンシク

コ・ヒョンジョンとマ・ドンソクもドラマへ向かう。

コ・ヒョンジョンは9月5日に初放送されるSBSの新ドラマ『カマキリ:殺人者の外出』(原題)で、デビュー以来最も強烈な変身に挑む。

劇中では、20年前に5人を残虐に殺害した連続殺人鬼チョン・イシン役を演じ、生涯憎んできた娘と予期せぬ共助捜査に乗り出す。作品は犯罪スリラー特有の緊張感を維持しつつ、母娘という関係が生み出す心理戦を前面に押し出す。

コ・ヒョンジョン
(写真提供=OSEN)コ・ヒョンジョン

マ・ドンソクは9年ぶりのドラマ復帰作『TWELVE トゥエルブ』(KBS 2TV/ディズニープラス)で戻ってくる。東洋の十二支をモチーフにしたアクションヒーロー物で、虎を象徴するリーダー「テサン」を演じる。

映画『犯罪都市』シリーズで3作連続1000万人動員を達成し、「マ・ドンソク流アクション」をブランド化した彼は、今回は韓国的な世界観とファンタジーを融合させたKヒーロー作品でジャンルの拡張に挑む。マ・ドンソク特有の迫力あるアクションにユーモアを加え、映画館とはまた違う魅力を披露する予定だ。

マ・ドンソク
(写真提供=OSEN)マ・ドンソク

今後、映画とドラマの境界はさらに薄れていく見通しだ。チャンネルやプラットフォームの区別が曖昧になった時代、俳優たちは形式ではなく「物語」と「完成度」を基準に次回作を選ぶ。特にOTTによる全世界同時公開は、海外ファンダムの形成に直結するため、映画俳優にとって魅力的な選択肢となっている。

あるドラマ関係者は「過去は映画とドラマが市場や消費方式で明確に区別されていたが、今はプラットフォームの境界がない。市場の変化に合わせた進化だ」と分析した。

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