映画監督シン・ソンフンさんの訃報が遅れて明らかになり、衝撃が広がっている。
10月26日、複数の韓国メディアはシン・ソンフンさんが自宅で発見されたと報じた。連絡が取れなかったため、知人が家を訪ねたところ、すでに息を引き取っていたという。現場にはメッセージなどは残されておらず、持病もなかったとされている。
シン・ソンフンさんは幼少期、孤児院で育った。過去にバラエティ番組に出演した際には「なぜ家族に捨てられたのかも分からないまま孤児院に送られた」と語っている。別の番組でも、孤独や偏見のなかでも懸命に生きてきたことを打ち明けていた。
しかし、彼の人生をさらに苦しめたのは、養母のギャンブル依存と多額の借金だった。「イベントで稼いだお金はすべて借金の返済に使った。返済した額だけで1億6000万ウォン(約1600万円)だ」と明かしており、最終的には自ら養子縁組の破棄を申請したという。「私は養子だ。実の母ではない」と語り、孤独な人生を包み隠さず吐露していた。
そんな彼が遺言もなく、家族による葬儀も行われず、“無縁故者”として葬儀が執り行われたことが分かり、悲しみの声が相次いでいる。本サイト提携メディア『OSEN』の取材によると、芸能関係者は「5月末に訃報を聞いた。遺体は無縁故として処理され、葬儀が執り行われた」と証言した。
“無縁故者葬儀”とは、家族や親族など身元を引き受ける人がいない場合に、国家や公共機関が代わりに行う葬儀のことを指す。別の関係者は「生前、SNSに“お母さん”“家族”と呼んで写真をよく載せていたが、実際の家族ではなく、周囲の年長者を母と呼び慕っていた」と明かし、切なさを誘った。
ネット上でも「家族に捨てられた彼が、最後も家族の名のもとに送られなかったなんて…胸が痛い」「映画監督として注目された人だったのに、最後は無縁故者なんて」「孤児院出身という烙印、養母の借金を背負って生きた人生…せめて今は安らかに」といった追悼の声が相次いでいる。
シン・ソンフンさんは2002年に歌手としてデビュー。その後、映画監督に転身し、2022年には監督作『チャジャン麺 ありがとう』で第7回ハリウッド・ブルーバード映画祭の監督賞と作品賞を受賞し、その才能を認められた。
(記事提供=OSEN)
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