無能で不誠実な監督を連れてきた代償は大きかった。
サッカー韓国代表は1月25日、アジアカップのグループリーグ最終戦でマレーシアと拙戦を展開し、3-3で引き分けた。
韓国は初戦でバーレーンに勝利するも、第2戦でヨルダンに苦戦して引き分け。マレーシア戦も一時はリードされ、敗北の危機から劇的に脱したといえる。最終的に1勝2分でグループ2位となり、決勝トーナメント初戦でサウジアラビアと相対することが決まった。
一応は無敗だが、内容は凄惨だ。チョ・ギュソン（26、ミッティラン）、ソン・フンミン（31、トッテナム）のコンビは徹底的に失敗しており、“プレミアリーグ得点王”をこんなにも活かせないのかと思うほど残念なシーンが多かった。
バーレーン戦はイ・ガンイン（22、PSG）の個人技による2ゴールで勝利したため、クリンスマンが意図的に引き出したものではない。イ・ガンインはマレーシア戦でもFKによる同点ゴールを決め、一人気を吐いていた。
クリンスマンの無策ぶりが際立ったのが、まさにマレーシア戦だった。FIFAランキングが100以上離れている（韓国23位、マレーシア130位）両者が対等に戦えた背景には、マレーシアを率いるキム・パンゴン監督の戦術対処能力があったからだ。
一方、1-2でリードされている状況で、積極的なアクションを起こさず笑っているクリンスマンの表情が、ファンをさらに怒らせたのは言うまでもない。
また守備面では、キム・ミンジェ（27、バイエルン・ミュンヘン）への依存が顕著だ。いくら彼がワールドクラスだとしても、一人では守り切れない。
韓国はグループリーグ3試合で6失点しており、相手のレベルと勝利へのプレッシャーが格段に上昇する決勝トーナメントでは、一瞬の隙が命取りとなる。またキム・ミンジェはイエローカードを1枚もらっているため、負担は相当なものだ。
これまで、韓国メディアは幾度となくクリンスマンの問題点を指摘してきた。彼は主に海外に滞在し、Kリーグ選手の発掘を怠放棄。「韓国常駐はKリーグの監督がやること」と主張し、アメリカで『ESPN』のパネラーとして金を受け取る。
大会前、クリンスマンは「アジアカップ優勝で証明する」と高らかに宣言し、すべての雑音を静めた。過程はどうであれ、結果さえ良ければオールオッケーという楽観主義だが、結局、これまでの怠慢がアジアカップ本番で露呈し、自ら首を絞める結果となっているのだ。
選手の発掘と実験を疎かにしていたクリンスマンは、徹底的に海外組の主力選手だけに依存してきた。それはアジアカップでも変わらず、ソン・フンミン、イ・ガンイン、キム・ミンジェの活躍で無敗は維持したが、内容が伴わない。
その上、年俸が火に油を注いでいる。クリンスマンの年俸は220万ドル（約3億2500万円）で、アジアカップ参加国2位だ。1位はサウジアラビアを率いるロベルト・マンチーニ監督で、2200万ドル（約32億5000万円）となっている。
そして前任者のパウロ・ベント監督は現在、UAEの指揮官として190万ドル（約2億8000万円）を受け取り3位。彼は2022カタールW杯で韓国をベスト16に導いたにもかかわらず、契約期間に関して異見が生じ、再契約に失敗した。
ただベントの功績は大きく、現代表の主力は彼が発掘している。クリンスマンが抜擢した選手はおらず、他人のふんどしで相撲を取っている状態にもかかわらず、それさえも崩壊させようとしているのだ。
韓国サッカー協会は能力を示したベント監督を放棄し、より無能で不誠実な指導者を、より高い金で連れてきたわけだ。
もちろん、アジアカップで韓国が優勝する可能性は残っている。しかし、期待は全くできない。
なお、クリンスマンはマレーシア戦後、「両チーム合わせて6ゴールを決めた興味深い試合だった。試合終了前、マレーシアが得点を決め、迫力満点だった。腹が立つし、不満もある。3失点のうち2失点は残念な判定だ」と、他人事のような発言。自チームが負けても笑顔を見せていたことを見ると、試合を楽しんだことは間違いなさそうだ。
そして戦術的な対応力が全くないという指摘に対しては、「戦術的な部分は、選手たちと真剣に話し合わなければならないようだ。カウンターに対する守備は、選手たちも一度は指摘し、みんなで補完しなければならない」と原論的な答えをするにとどまっている
韓国が万が一優勝したとしても、過程は徹底的に無視して、結果を出したクリンスマンの功績とみなされるのではないかと心配されている状況。ただ、優勝できなければ、クリンスマンは無条件に責任を負って職を退くべきだろう。
（記事提供＝OSEN）
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