川崎フロンターレとAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージで同組に入った蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)が、不振なパフォーマンスでファンの批判に遭っている。
「最近の試合を観ていて、選手たちからモチベーションが感じられない」
「見栄えだけ良いクラブと闘志のない選手たち。過去に逆戻りだ」
「切実さがない!しっかりしろ、蔚山」
蔚山のファンやサポーターたちは、去る9月3日にホームの蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で行われたKリーグ1(1部)第29節で光州(クァンジュ)FCに0-2で敗れた後、クラブの公式SNSに選手の“姿勢”を批判するコメントを残した。
十分に根拠のある批判だ。
蔚山が同日喫した2失点は、いずれも守備陣のずさんな対応によって生まれた。
特に、前半18分に先制ゴールを許した過程はファンが最も失望した場面だった。
蔚山陣内のペナルティエリア手前で、光州のMFハ・スンウン(25)が身体を投げ出し執念でボールをキープしていたなか、蔚山は選手4人がハ・スンウンを取り囲むもボールを奪えず。結局、FWイ・ゴンヒ(25)にパスが渡り、先制を許す形となった。
蔚山を率いるホン・ミョンボ監督も、試合後に「最初に失点シーンは現在の我がチームの全体的な問題点だ。最近のチームからは責任感や凝集力などを感じることができない」と指摘していた。
後半10分にジョージア代表FWベカ・ミケルタゼ(25)のゴールを許した場面も同じだ。
ノンストップのボレーで放ったシュートが逸品であったことは確かだが、その直前、MFイ・ヒギュン(25)のドリブル突破に対して蔚山の守備陣はまともに防ぐことができなかった。
結局、イ・ヒギュンのシュートがDFキム・ヨングォン(33)に当たって跳ね返ったこぼれ球をミケルタゼに拾われる形となった。
蔚山は去る7月8日の第21節で浦項(ポハン)スティーラーズに1-0で辛勝して以降、8試合で2勝2分4敗としている。
ただ単に一時的な不振というわけではない。シーズン序盤、Kリーグ歴代でも屈指のパフォーマンスを見せつけていたチームとは思えないほど、ここにきて突如“正反対”の戦いぶりに終始しているからだ。
特に守備陣の闘争心や連携は、ファンが見ても明らかに失踪した状態と言える。守備の主要な指標がそれを証明している。
蔚山は第21節までインターセプト数全体3位(154回、1試合平均30.76回)、タックル数4位(154回、平均7.33回)などを記録したが、直近8試合ではインターセプト数が12チーム中11位(193回、平均24.12回)、タックル数も9位(53回、平均6.62回)となっている。
第21節まではリーグ全体で2番目に少ない21失点を記録していたが、直近8試合で12失点を記録し、最多失点4位につけた。
以前ならば危険なエリアで円滑なコミュニケーションを交わし、息の合った守備を披露する場面が、光州戦を筆頭にここ最近は見られないという見解が支配的だ。
守備陣の不振とともに、前線も決定力不足に苦しんでいる。
直近8試合において、蔚山は枠内シュート数1位(45本)、キーパス数1位(46本)など主要な攻撃指標においては上位圏だ。しかし、肝心の得点数はわずか7ゴールにとどまっている。
第21節まで計45得点、1試合平均2.14ゴールを決めていたのと比べると、得点力が大きく落ちている。
27試合13ゴールでリーグ得点ランキング首位のFWチュ・ミンギュ(33)は、去る8月27日の第28節FCソウル戦で2得点を記録し、それまでの沈黙から目覚めたが、チーム内のローテーション体制において、100%のコンディションを維持することに過度期を迎えている。
昨年夏から加入し、リーグ優勝に決定的な貢献を果たしたハンガリー代表FWマルティン・アダム(28)は、妻が2人目を妊娠したことで母国に一時帰国しており、現在は一人で韓国生活を送っている。
単身生活による困難を訴えたというが、それがパフォーマンスにも影響を及ぼしている。
ホン・ミョンボ監督は、国際Aマッチによる休息期間に選手との面談を設けるほか、戦術のプランBやプランCなどの構想に専念する予定だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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