川崎フロンターレから日本人MF小塚和季(28)を獲得した水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスが、再び最下位に沈んでいる。
水原三星は7月のリーグ戦を2連勝含む5戦無敗(2勝3分)で終えた。首位の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)を3-1で破り、残留を争う江原(カンウォン)FCとの直接対決も2-1で勝利した。無敗の勢いで最下位脱出にも成功し、短い休息期間を過ごした。
しかし、8月以降は現在まで1分1敗と未だ勝てていない。ホームタウンが同じライバルの水原FCに0-2で敗れ、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースとは1-1で引き分けた。
この間、最下位に沈んだ江原FCが蔚山に2-0で勝利したことで順位が入れ替わり、水原三星は再び自動降格圏内の最下位となった。現在、第26節終了時点で4勝7分15敗の勝ち点19としている。
残留までの道のりは依然として厳しい。
昇格プレーオフ圏内の11位の江原FC(勝ち点20)、10位の水原FC(勝ち点23)とはまだ逆転可能な勝ち点差だが、残留圏内の9位・大邱(テグ)FC(勝ち点34)とは15ポイントも離れている。
水原三星の課題は、対戦相手が中盤の要である小塚を封鎖し始めた部分をどのように乗り越えていくかだ。
Kリーグの登録名を「カズキ」とする小塚は、夏の移籍市場で水原三星に加入した。そして、合流するやいなやチームの中核に生まれ変わった。
小塚はスピードは速くないが、優れたボールキープと創意性のあるパス能力を長所としている。何より、2列目でチームメイトの瞬間的な動きを把握し、絶妙に通すパスが逸品だ。
常に余裕のあるプレースタイルで試合をコントロールする小塚は、水原三星のすべての選手を目覚めさせた。
小塚がボール配球に関与することで、中盤でともにプレーするMFコ・スンボム(29)の調子が向上するシナジー効果が発揮された。運動量豊富で攻撃的なプレーを好むコ・スンボムが、より攻撃的な位置でボールに関与できるようになったのだ。
しかし、中観期間を経て8月に入り、水原三星と対戦するチームは「カズキ封鎖令」を下した。
特に、水原FCとの“水原ダービー”では相手に強く封じられた。前線ではなく中盤の一角で出場したMFイ・スンウ(25)が、小塚を積極的にけん制したのだ。
イ・スンウは前半序盤から小塚と神経戦を繰り広げ、小塚のメンタルを揺さぶった。結局、小塚を封じられた水原三星はダービーマッチで敗戦を喫した。
続く全北戦でも、小塚はこれまでと比べて存在感を発揮することはできなかった。
コーナーキックからDF韓浩康(ハン・ホガン/29)のゴールをアシストはしたが、ピッチ上ではキーパス数が1回に過ぎず、アタッキングサードでのパスも9回にとどまった。
水原三星が全北相手にDFラインを低く設定した影響もあるが、いずれにしても小塚の長所は発揮されなかった。
今後、小塚に対するプレッシャーはさらに激しくならざるを得ない。
ただ、小塚は水原三星のビルドアップと攻撃展開の過程において今や欠かせない存在であるだけに、彼に対する集中を分散させる必要がある
水原三星を率いるキム・ビョンス監督は、全北戦で小塚、コ・スンボム、ブラジル人MFロドリゴ・バッサーニ(25)からなる中盤3枚体制を敷いた。小塚が封じられた際の解決策を模索している様子だ。
小塚の長所をいかに最大限発揮できるか。クラブ史上初の2部降格をなんとしても避けたい水原三星にとって、必ず解決すべき新たな悩みだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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