「最下位と知ってて来た」元川崎・小塚和季に託された韓国名門の復権「Kリーグを盛り上げたい」

川崎フロンターレから韓国の水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスに移籍した日本人MF小塚和季(28)が、早くもチームの中心選手となっている。

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Kリーグでの登録名を「カズキ」とする小塚は、韓国移籍後2試合目にして十分な存在感を発揮している。彼の正確なキックとパスがチームの大きな支えとなっている。水原三星を率いるキム・ビョンス監督も、小塚の活躍に満足感を示した。

もっとも、小塚獲得以降で復調傾向にある水原三星だが、加入後2試合でいずれも勝ち点3獲得に失敗している。

小塚は7月12日、ホームの水原ワールドカップ競技場で行われた浦項(ポハン)スティーラーズとのKリーグ1(1部)第22節で先発フル出場。後半15分、自陣から針の穴を通すようなグラウンダーのスルーパスを最前線に送り、相手DFハ・チャンレ(28)の退場を引き出した。

その後、水原三星は後半17分にセルビア人FWフェイサル・ムリッチ(28)のゴールで先制するも、同34分にブラジル人FWゼカ(26)のPKで同点に追いつかれ、1-1の引き分けで終了した。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)浦項戦の小塚和季

試合後、記者会見に出席した小塚は「良い試合をしましたが、引き分けに終わったことを後悔していますし、悔しい気持ちもあります。チームを勝利に導くことができる選手に成長したいです」と力強く伝えた。

水原三星に合流してまだ間もない。今は新天地への適応に追われる日々だ。「チームメイトが温かく歓迎してくれて、監督とコーチングスタッフはもちろん、日本語ができるチームメイトもいるので助けてもらっています。ほかの選手とも上手くコミュニケーションができているので、連携もしっかり合ってきていると思います」と小塚は言う。

彼の長所はボールキープと前線へのパスだ。小塚加入以降、水原三星は明らかに後方でただボールを回す回数が減った。

「得点につながるパスが得意ですし、好きでもあります」と明かした小塚は、「相手DFの後方のスペースを突くことができる、良い動き出しができる選手がチームにはいます。そこを狙っています」とし、「前線へのパスや攻撃的な部分をもっと上手く活かそうと思っています。守備的MFというポジションなので、守備ももっと頑張りながらチームの役に立ちたいです」と強調した。

水原三星は第22節を終了し、2勝6分14敗の勝ち点12で未だ12チーム中最下位に沈んでいる。勝ち点15で11位の江原(カンウォン)FCとの差もまだ縮まっていない。

小塚本人も、クラブ史上初の2部降格危機にあえぐ水原三星の現状を認知している。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)水原三星の選手たち

「水原三星の状況は知っていましたが、それでもここに来ました。水原三星は“ビッグクラブ”です。全員で勝ち抜きたいと思っています」

小塚は最後に、「日本では連続で試合に出場したことがないので、心配な部分もありますが、チームの状況を考慮するとそのようなことを考えている場合ではありません。もっとたくさんプレーして、(チームメイトとお互いに)激励の言葉をかけなければならない。何より、日本人がKリーグでもできるというのをお見せしたいですし、Kリーグをもっと盛り上げたいと思っています」と力を込めた語った。

なお、水原三星は次戦、ホームで行われる第23節で首位の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)と対戦する予定だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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