パリ・サンジェルマン(PSG)率いるルイス・エンリケ監督が、韓国代表MFイ・ガンイン(22)の「アジア大会招集問題」に困惑した表情を見せた。
韓国では本日(8月3日)、釜山(プサン)アジアード主競技場でPSGと全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースによるスペシャルマッチ「Coupang Playシリーズ」第3戦が行われる。
試合に先立ち、エンリケ監督は前日の2日に行われた記者会見に出席。そこで、来る9月から開催される杭州アジア大会に関して、イ・ガンインのU-24韓国代表招集や出場に関する質問を受けた。
通訳を介して質問を聞いたエンリケ監督は、困惑した表情を浮かべた。
そして、「今のところはわからない。選手が国際大会に出場する場合、クラブに要請があれば回答する」と言うにとどめた。原論的な立場だけを明らかにした形だ。
去る7月14日に発表されたU-24韓国代表の杭州アジア大会最終エントリーにイ・ガンインは名を連ねた。
U-24韓国代表率いるのは、かつてセレッソ大阪や柏レイソルでもプレーしたファン・ソンホン監督。指揮官はイ・ガンインをチームの中心選手に据え、金メダル獲得のための準備を進めている。
問題はPSGの派遣協力だ。アジア大会は国際サッカー連盟(FIFA)の主管大会ではないため、選手の派遣は義務ではない。
つまり、韓国サッカー協会(KFA)とPSGの間の調整が上手くいかなければ、イ・ガンインの出場は不可能となってしまう。
ただ、各当事者間で利害関係が衝突する。
PSGはイ・ガンインをアジア大会に派遣した場合、戦力低下が避けられない。シーズン序盤の重要な時期に、この夏獲得したばかりの新戦力を活用できないのはチームの立場としては理解しがたい。
だが、イ・ガンインとしてはアジア大会での金メダルが必要だ。兵役を終えていないイ・ガンインがアジア大会で優勝できれば、兵役特例の恩恵を受けることができる。欧州での生活も継続できる。
そして、U-24韓国代表としても、重要な選手であるイ・ガンインを招集できなければ大幅な戦力ダウンになりかねない。
しかも、U-24韓国代表はKFAの初歩的なミスによってエントリーが本来の22人よりすでに一人少ない状態だ。
ファン監督は飲酒運転の前歴で懲戒中のDFイ・サンミン(23、城南FC)をエントリーに含めたが、発表後に代表資格を備えていないことが物議を醸し、22人から除外となった。
ここにイ・ガンインも合流不可能となれば、U-24韓国代表は本来のエントリー22人より二人少ない20人で大会を戦わなければならない。
結局、選択権を握っているのはPSGというわけだ。
PSGの決定に、イ・ガンインとU-24韓国代表の未来がかかっている。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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