過熱する大谷翔平の去就報道に韓国メディアも参戦…「日本の記者は義理を重要視」と伝えたワケ

“ゴルフ皇帝”タイガー・ウッズが全盛期の頃は、どのゴルフの記事にもウッズの名前が欠かさず書かれていた。ゴルフとウッズを切り離して取り上げることができなかったからだ。

【写真】大谷翔平を生観戦した韓国の長身美女

であれば、2024年はメジャーリーグの記事に大谷翔平(29、ロサンゼルス・エンゼルス)の名前が外せなくなるだろう。今や野球の記事において“オオタニ”の固有名詞は定番のものとなっている。

今後、7月31日のトレード締切期限にとどまらず、オフシーズンのフリーエージェント契約まで、オン・オフライン問わずアメリカの各メディアに大谷は名を連ねるはずだ。

最近も、多くのコラムニストたちはそれぞれの名分を掲げ、大谷をトレードすべきだと主張し続けている。

『LAタイムズ』もそうだったし、『FOX-TV』スタジオ解説のアレックス・ロドリゲスもトレードすべきだと主張した。今後5年以内にエンゼルスがワールドシリーズ進出に挑戦するには、大谷とマイク・トラウト(31)をトレードしなければならないと付け加えた。

デレク・ジーターも、大谷のニューヨーク・ヤンキースへのトレードの可能性を提示した。

エンゼルスは昨年から、大谷と関連した方針は一貫して“トレード不可”と掲げていた。『ESPN』のバスター・オルニー記者も「オオタニのトレードはないだろう」と分析していた。

ただ、『MLB.com』が7月14日に掲載した記事で「ヤンキースが大谷のトレードに最も意欲的だ」と火を焚きつけた。

オルニー記者も“もし”という但し書きを付け、仮にトレードが実現する場合はヤンキースが最優先で、テキサス・レンジャーズやヒューストン・アストロズが続くと伝えた。いずれもワールドシリーズ優勝を狙えるチームだ。

(写真提供=AP/アフロ)大谷翔平

これまでのMLBトレード締め切りの期限パターンから見れば、大谷のトレードは必然と言える。

大谷は2023年シーズン終了後にFAとなるため、エンゼルスは大谷と契約できなければドラフト権利以外に何も残らない。どの球団も大谷の加勢でワールドシリーズ優勝が可能となるだけに、トレードで直ちに戦力となる有望株をもらうのが手順だ。

しかし、エンゼルスのアルテ・モレノ・オーナーは“我関せず”といった様子だ。今後、モレノ・オーナーの方針が変わるかどうかが最大の関心事だ。

現在まで、モレノ・オーナーは大谷とのFA契約の可能性を念頭に置いているようだ。もっとも、専門家たちはエンゼルスとの再契約の可能性を10%も見据えていないのが実情だ。

だが、日本の記者たちの反応は少し異なる。そこが文化の違いだ。

日本は義理や名分を非常に重要視しているという点だ。とある日本人記者は、エンゼルスと大谷のFA契約の可能性もあり得ると分析している。

実際、イチローや松井秀喜など日本の投打を代表した選手たちは、シアトル・マリナーズ、ニューヨーク・ヤンキースで長い間活動してきた。

彼らはキャリアの晩年こそ他球団に移籍したが、結局は“シアトルマン”、”ヤンキースマン”となった。

技量が落ちて球団がFA契約を放棄するならともかく、残留の可能性が高いというのが記者の分析だ。予想外ではあるが、もっともらしいとも言える。

ダルビッシュ有(36、サンディエゴ・パドレス)も2017年シーズン途中、レンジャーズからロサンゼルス・ドジャースにレンタル選手としてトレードされた際、シーズン後にドジャースとの再契約を望んだ。

しかし、ドジャースが市場価格に見合う価値を示さなかったため、最終的にシカゴ・カブスとFA契約を結んだ。

エンゼルスはシーズン前半の終盤、主砲のトラウトが手首を骨折して負傷者リスト入りしたことで戦力が著しく低下。前半戦を5連敗で終え、45勝46敗としている。ポストシーズン進出の可能性はさらに遠ざかっている。

はたして大谷は残留するのか、トレードされるのか、真夏に最も熱いニュースとなることは間違いない。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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