川崎フロンターレから韓国に渡った日本人選手が、Kリーグ・デビュー戦で存在感を発揮した。
7月9日に大田(テジョン)ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1(1部)第21節では、アウェイの水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスが大田ハナシチズンと2-2で引き分けた。
これで水原三星は第21節を終えて2勝5分14敗の勝ち点11。12チーム中最下位は変わらずだが、勝ち点14で11位の江原(カンウォン)FCとの勝ち点3ポイント差をキープした。
水原三星は大田相手に2点差から同点に追いつく執念を見せた。
試合は前半17分と27分に失点を喫し、早々にリードを奪われた。
水原三星は今季に限らず、先に失点を許すとその後の守備が崩れてしまうケースが多かった。そのため、同点に追い付いたり、逆転したりする力が著しく乏しかった。
だが、この日だけは違った。
2失点目を喫した直後の前半31分、MFコ・スンボム(29)のゴールで1点差に迫ると、後半12分にセルビア人FWフェイサル・ムリッチ(28)が同点弾をマークした。
逆転こそならなかったものの、水原三星は執念の攻めで2点差を追いついた。チームを率いるキム・ビョンス監督も試合後、「2点差を追いついたというのは非常に良い現象だ」と評価した。
ポジティブ要素はほかにもある。水原三星が夏の移籍市場で獲得したMF小塚和季(28)が、デビュー戦から早速活躍を披露したことだ。
今月6日に川崎フロンターレからの完全移籍加入が発表された小塚。Kリーグでの登録名を「カズキ」、背番号を81とし、Kリーグ・デビューを飾った大田戦では4-3-3のアンカーで先発出場した。
後半42分までプレーした小塚はパス成功率87%を記録。前線へのパスも19回試み、うち15回成功した。さらにはインターセプト3回、ボール奪取6回など攻守で充実したパフォーマンスを披露した。
小塚の攻守にわたる手厚いサポートのおかげで、コ・スンボムがより前でプレーできるようになったという利点も生まれた。
キム監督も小塚について、「カズキのおかげで前線にパスをする頻度が増えた。ボールを奪った後の安定感も保たれた」と高く評価していた。
リーグ戦優勝4回、カップ戦優勝5回の実績を誇り、Kリーグ屈指の名門と呼ばれながら、今季は開幕から続く低迷で史上初の2部降格が現実味を帯びている水原三星。
そんななか、クラブは1部残留に向けた即戦力として小塚をアジア枠で補強したほか、外国人ストライカーの獲得も計画しているとされている。
はたして小塚はKリーグの名門を1部残留に導くことができるのか。次戦は来る12日、ホームの水原ワールドカップ競技場で行われる浦項(ポハン)スティーラーズとのKリーグ1第22節だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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