U-20ワールドカップ前回準優勝国の韓国が、“偉大な挑戦”のための重要な初戦を迎える。
キム・ウンジュン監督率いるU-20韓国代表は5月23日(日本時間)午前3時、アルゼンチン・メンドーサのエスタディオ・マルビナス・アルヘンティナスで行われるU-20ワールドカップ・グループF第1節でU-20フランス代表と対戦する。
初戦から強豪国と激突する。フランスは昨年のカタールW杯で準優勝したA代表だけでなく、世代別代表も十分な戦力を備えており、韓国としては厳しい試合が予想される。
特に負担になるのはフランスの個人能力とフィジカルだ。U-20世代では組織力や技術的な面より、スピードをはじめとする個々のフィジカルが結果に大きく影響を及ぼす。多くの選手が身体的に100%完成していないなか、幼い頃から飛び抜けた身体能力を持つ黒人選手が目立つ。
アフリカ勢がU-20ワールドカップで着実に好成績を収めている背景もここにある。
フランスも移民者出身の選手が代表を満たして久しく、A代表ではFWキリアン・エムバペ(24、パリ・サンジェルマン)を筆頭に、MFオーレリアン・チュアメニ(23、レアル・マドリード)、FWムサ・ディアビ(23、バイエル・レバークーゼン)などが活躍している。それだけに、U-20代表だからと言って違いはない。
フランスを分析したキム監督は、「レベルが確かに高い。技術やスピードは言うまでもなく、高さもある。センターバックは軒並み190cmに達する。力で攻略することは簡単ではなさそうだ」と伝えた。
そこで重要となるのが、ストライカーのFWイ・ヨンジュン(19、金泉尚武)の役割だ。
イ・ヨンジュンは今回のU-20韓国代表メンバーの攻撃陣では、最もパワーと高さに強みを持っている。190cmの長身で猪突的なプレースタイルながらも、味方を活かすプレーにも長けた選手である。
攻撃陣にはMFペ・ジュンホ(19、大田ハナシチズン)やMFカン・ソンジン(20、FCソウル)、MFキム・ヨンハク(20、ポルティモネンセ)など技術とスピードに優れ、知能的なプレーを駆使する選手が揃っている。
彼らが輝くためには、イ・ヨンジュンが最前線で相手センターバックと戦い、自らを犠牲にしてスペースを生み出さなければならない。イ・ヨンジュンが我慢強くプレーを続けられてこそ、創意性のあるほかの攻撃陣がより一層輝ける。
グラウンド外の面でも適応が必要だ。今月18日にアルゼンチン入りした韓国は厳しい大会準備を強いられている。宿舎から練習場まで車で45分もかかり、練習のために往復90分を擁する困難に直面している。
また、メンドーサにはグループD(イタリア、ブラジル、ナイジェリア、ドミニカ共和国)とグループF(フランス、韓国、ガンビア、ホンジュラス)の計8カ国が密集しており、練習場のしようも制限的だという。
決して簡単ではない環境と、南米という不慣れな地域に選手たちがどれだけ適応できるかによって、大会の成績が変わりかねない。
カギはチーム内の雰囲気だ。ポーランドで行われた4年前の2019年大会で、チョン・ジョンヨン監督(現・ソウルイーランドFC監督)が率いたU-20韓国代表は、エースのMFイ・ガンイン(22、マジョルカ)を中心に選手たちが自信と覇気を武装し、準優勝という快挙を達成した。
当時はグループステージ初戦で欧州の強豪ポルトガルに敗れたものの、南アフリカとアルゼンチンに勝利して2位通過した後、決勝トーナメントでは日本、セネガル、エクアドルを破って決勝進出。決勝では惜しくもウクライナに敗れたが、イ・ガンインがゴールデンボール(大会MVP)を受賞するなど、破竹の快進撃で世界を驚かせた。
今大会に臨むU-20韓国代表に必要なことも、まさに“自分たちはできる”という自信だ。
MFカン・サンユン(18、全北現代モータース)が「優勝したい」と堂々と語る場面は、まるで4年前のイ・ガンインを連想させる。
当時、イ・ガンインはチーム最年少だったにもかかわらず、年上の選手たちに“優勝”という目標を強調し続け、チームの中核としての役割を果たした。
それだけに今回、キム・ウンジュン監督率いるU-20韓国代表も高い目標意識を持って大会に臨むことが重要だ。同じアジアのU-20日本代表は初戦でU-20セネガル代表に1-0で勝利したが、韓国が強豪フランスとの初戦でどんな戦いぶりを見せてくれるか注目したい。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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