日本代表MF久保建英(21、レアル・ソシエダ)とも過去に共闘した“韓国の至宝”は、欧州ビッグクラブを誘惑する注目株のようだ。
韓国代表MFイ・ガンイン(22、マジョルカ)が、ラ・リーガでデビュー以来初の複数得点に成功した。
4月24日(日本時間)、ホームのビジット・マジョルカ・エスタディで行われたラ・リーガ第30節ヘタフェ戦で先発フル出場したイ・ガンインは、2ゴールの活躍でチームを3-1の逆転勝利に導いた。
1試合で今季4~5点目を成功させたイ・ガンインは、現在までラ・リーガ29試合出場で5ゴール4アシストを記録している。
バレンシア時代の2019年1月、バジャドリード戦での途中出場でラ・リーガデビューを果たしたイ・ガンインは、プロ5年目で初めて1試合2得点を記録した。
偶然にも、デビューゴールを決めた相手もヘタフェだ。2019年9月のホームゲームで、ヘタフェ相手に2-1でリードした前半39分に初ゴールを決めていた。
ラ・リーガではイ・ガンインのほか、元レアル・ソシエダ、ヌマンシアのイ・チョンス(41、引退)にはじまり、元ラシンのイ・ホジン(40、引退)、元セルタのパク・チュヨン(37、蔚山現代)、元アルメリアのキム・ヨンギュ(28、大田コレイル)、バルセロナ下部組織出身で元ジローナのペク・スンホ(26、前北現代モータース)、元マジョルカのキ・ソンヨン(34、FCソウル)と計7人の韓国人選手がプレーしてきた。
ただ、1試合で2ゴールを決めた韓国人選手は今回のイ・ガンインが初めてだ。
バレンシアでは下部組織から在籍し、トップチーム・デビューまで上り詰めたが、思うような出場機会を得られなかった。そして2021年夏、バレンシアとの契約を解除し、フリーでマジョルカに加入した。これがキャリアの転換点となった。
マジョルカ1年目の昨季は久保とも共闘し、ラ・リーガ30試合出場(うち先発15試合)で1ゴール2アシストを記録。そして、今季は出場29試合のうち27試合で先発を飾っており、初の複数得点も成功したことで、スコアポイント(ゴール+アシスト)の二桁到達も目前に控えている。
マジョルカは第30節を終え、11勝7分12敗の勝ち点40で20チーム中10位とし、今季最低目標の1部残留に近づいた。残り8試合で降格圏内の18位バレンシア(勝ち点30)とは10ポイント差だ。
イ・ガンインは試合後、クラブを通じて「(自分のスコアポイントなど)数字より、自分たちがチームとして努力することが重要だ」とし、「最も高い順位でシーズンを終えたい」と伝えた。
イ・ガンインは自身2点目のゴールを決めた直後、鼻の下を指でこするゴールセレモニーを披露していた。これについては「ヌナ(姉)に“見ろ”という風にやった。いつも僕に“ゴールを決めろ”と言ってくる」と笑いながら語った。
そんなイ・ガンインは今夏の移籍が有力だ。ラ・リーガでの活躍はもちろん、昨年のカタールW杯でも韓国代表のベスト16進出に大きく貢献したことで、プレミアリーグをはじめとする5大リーグの主要ビッグクラブから大きな関心が寄せられている。
イ・ガンインは昨冬、マジョルカが他チームからの獲得オファーを一方的に拒否したことが伝えられると、クラブ公式SNSをフォロー解除するなどして公の不満を示した。
当時、アルフォンソ・ディアスCEOは「イ・ガンインは目標の(1部)残留のために絶対に必要な選手」とし、“移籍不可能”の方針を表明したことがある。
しかし、イ・ガンインの市場価値が高騰し、1700万ユーロ(日本円=約25億円)程度と推定される彼のバイアウト金額を満たす意志のあるクラブが出てきたことで気流は変わった。
イ・ガンインとマジョルカの契約は2025年6月までとされているが、すでに他チームへの移籍に合意したという現地報道も出ている。
新たな挑戦への意欲を示すイ・ガンインの最近のパフォーマンスは、彼の獲得を望むチームの興味を引かせている。
ディアスCEOも同日、韓国メディアからのイ・ガンイン移籍関連の質問に対し言葉を慎んだ。「チームが(1部残留をめぐって)重要な時期だから、イ・ガンインと関連した立場は5月中旬まで待ってほしい」と語っていた。
イ・ガンイン自身も敏感な時期であるだけに、公式インタビューに応じた以外は、ミックスゾーンもそのまま通過して取材に応じず、ファンとの接触も避けていた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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