Jリーグと縁深い韓国名門、“0勝”最下位の大不振で監督解任…かつては鄭大世ら所属、近年は低迷続き

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でJリーグ勢との対戦経験も多い韓国Kリーグ1(1部)の名門が、深刻な不振に陥っている。

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水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスは4月18日、イ・ビョングン監督を解任することを発表した。

当面は、現役時代にヴィッセル神戸、横浜FC、ザスパクサツ群馬などで活躍した元韓国代表で、昨季からアシスタントコーチを務めるチェ・ソンヨンが監督代行を務める予定だ。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)イ・ビョングン前監督(左)とチェ・ソンヨン監督代行(右)

水原三星は今シーズン、2月のリーグ戦開幕から現在まで7試合を終えて2分5敗(勝ち点2)とし、単独最下位に沈んでいる。今月12日のFAカップ3回戦で2部の金浦(キムポ)FCを3-1で破ったのが今季唯一の白星だ。

直近の15日、ホームの水原ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1第7節の済州(チェジュ)ユナイテッド戦では、前半早々に先制しながらも一挙3失点で2-3と敗れていた。

来る22日に行われるKリーグ1第8節では、敵地ソウルワールドカップ競技場でFCソウルとの伝統のダービーマッチ「スーパーマッチ」が控えている。そんな注目の一戦を前に、クラブは成績不振を理由に監督解任に踏み切った。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)イ・ビョングン前監督

水原三星は解任発表に際し、「厳しい状況のなかでも最善の努力を尽くしてくれたイ・ビョングン監督に感謝し、また申し訳なさを伝えたい」とイ・ビョングン前監督へのコメントを伝えた。

また、「当分の間はチェ・ソンヨン・アシスタントコーチが監督代行を務め、チームを率いる計画だ。クラブは危機克服を最優先に、チームを再び軌道に乗せることに注力する」と、今後のリーグ戦での巻き返しを誓った。

最後に、「今回の監督解任に対し、クラブもまた無限の責任を感じている。水原三星らしくない姿に失望したファンの方々にはお詫び申し上げたい。クラブは近いうちにも成績不振から脱出できる刷新案を樹立し、骨身を削る変化を図るようにする。水原三星が再び力強く飛び立てるよう、変わらぬ支持と応援をお願いしたい」とファンに呼び掛けた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)キム・ボギョン(左)や安柄俊(中央)など、元Jリーガーも多い水原三星

かつては韓国の世界的大企業・サムスン電子を親会社とし、リーグ優勝4回(1998年、1999年、2004年、2008年)、FAカップ優勝5回(2002年、2009年、2010年、2016年、2019年)、ACLの前身アジアクラブ選手権優勝2度(2001年、2002年)を誇るKリーグ屈指の名門として名を馳せた水原三星。

過去には元韓国代表GKチョン・ソンリョン(38、川崎フロンターレ)や元日本代表FW高原直泰(43)のほか、元北朝鮮代表MF安英学(アン・ヨンハ/44)、元北朝鮮代表FW鄭大世(チョン・テセ/39)、元日本代表MF齋藤学(33、ニューカッスル・ジェッツ)などJリーグに縁ある選手もプレーしていた。

現在も、キャプテンを務める元清水エスパルスのDFイ・キジェ(31)をはじめ、元セレッソ大阪、大分トリニータ、松本山雅FC、柏レイソルのMFキム・ボギョン(33)、元川崎、ジェフユナイテッド市原・千葉、ツエーゲン金沢、ロアッソ熊本のFW安柄俊(アン・ビョンジュン/32)、元ヴァンフォーレ甲府、サガン鳥栖、FC岐阜のMFチェ・ソングン(31)、元徳島ヴォルティスのFWキム・キョンジュン(32)、元モンテディオ山形、ブラウブリッツ、横浜FCの韓浩康(ハン・ホガン/29)など、多くのJリーグ経験者が在籍している。

またシーズン序盤とはいえ、現在の不調が今後も続くようであればクラブ史上初の2部降格という可能性もゼロではない。凋落するKリーグの名門は再起を果たすことができるのだろうか。

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