当時はまさに、太極マーク(韓国国旗)は誰にでも与えられるようなものではなく、限られた人間にしか与えられない特権であり、栄光だった。
今と比べて昔も大した選手層はなかったが、少数精鋭で世界の野球を席巻。優れた才能を持つ選手たちとともに、韓国野球を世界上位にまで押し上げた。
しかし、少しずつ韓国は後れを取るようになってきた。
次第に代表は栄光の場ではなく、負担になる場と認識されるようになった。兵役問題にかかわるアジア大会だけに必死だという印象を一般大衆に与えたりもした。本人たちの意図と考えがまったくそうではなくても、大衆の認識そのものが良くなかった。
求められるのは結局、成績だ。直近では2018年ジャカルタ・アジア大会で金メダルを取ったが、そのほかの大会では結果を残せなかった。
唯一、2015年プレミア12は優勝した。しかし、2013年と2017年のWBCで1次ラウンド敗退に終わると、2019年プレミア12は日本に敗れ準優勝。そして2021年東京五輪でメダル獲得に失敗し、今回の2023年WBCでは通算3度目の1次ラウンド敗退となった。
韓国野球は世界各国の野球が成長している間、ただの“井の中の蛙”で、ひたすら同じ場所で足踏みを続けていた。
日本球界が祝祭を挙げた日、韓国野球は宿題を始めた。
日本対イタリアが行われた16日、韓国野球委員会(KBO)は報道資料を通じて謝罪文を掲載。「野球代表チームが2023年WBCで期待に及ばない成績と競技力をお見せした点について、応援してくださった国民の皆様と野球ファンの方々に心よりお詫び申し上げます」と頭を下げた。
そして、「KBOと10球団は今回のWBCの大会結果に大きな責任を痛感しており、さまざまな叱責を謙虚に受け止めます」と付け加えた。
また、KBOは同日に2023年第2回実行委員会を開催し、今回の事案を深く議論。今後、国内プロ野球KBOリーグの競技力と代表チームの競争力向上に向けた中長期的な対策を早急にまとめることも明らかにした。
最後に、「各団体と協力し、外部専門家の意見も聴取してKBOリーグの競技力を強化し、これを基に代表チームが国際大会でより良い成績を収められるように全力を尽くします」と約束していた。
日本が失敗の連続から復活し、今やはるかに高く飛躍する過程を韓国も見習わなければならない。国際競争力復活のため、地道に代表の強化時碧を行いながら、その目を外の世界に向けるべきだ。
太極マークの失墜した名誉を取り戻すための過程は、今まさに始まったと言って良いだろう。
そして、この反省が言葉だけにとどまらず、行動につながることを望まなければならない。はたして韓国野球が今与えられた宿題を解決するためにどれだけ努力し、時間を割くことができるだろうか。
過去の反省も重要だが、いつまでもしているわけにはいかない。「この先どうするのか」が、今後の球界発展へより重要となる。
(記事提供=OSEN)