この日、ダルビッシュが最初の打者を相手にした瞬間からまさかの事態が起きた。
先頭打者で打席に立った中日の岡林勇希(21)に対し、約150kmの剛速球を右膝に当ててしまったのだ。岡林は膝を抱えて倒れ、しばらく起き上がれず、最終的に助けられて球場を後にした。
その後、ダルビッシュは少なからず困惑したのか、オルランド・カリステ(31)相手に四球を出す。そして一死一、二塁を想定した状況で、ダヤン・ビシエド(33)とアリスティデス・アキーノ(28)に連続適時打を許し、2失点を喫してしまった。
ダルビッシュにとっては無駄にできないライブBPだった。メジャーリーガーはWBC主催側が主管する強化試合以外は実戦に出場できないため、3~4日に行われる中日との強化試合には登板できない。
1次ラウンド前に事実上、最後の実戦投球だったわけだが、この機会にミスをして集中することができなかった。
ライブBP後、ダルビッシュは自身のSNSで岡林への死球を謝罪するとともに、「ビジエドとの対戦も覚えていません」と、当時の“メンタル崩壊”の瞬間を説明した。
2009年WBC以来の代表入りとなったダルビッシュは、今大会で最年長メンバーとして早くから侍ジャパンのキャンプに参加している。
所属するパドレスの配慮のなかで、ダルビッシュは後輩たちに惜しみなくノウハウを伝授。積極的に対話を交わすなど熱意を見せ、大会制覇へ戦意を燃やしている。
そんなダルビッシュは、来る10日に行われる韓国代表戦での先発登板が有力視されている。
ダルビッシュが“日韓戦”で先発登板するとなれば、今回のライブBPでの一件は韓国にどのように作用するだろうか。
(記事提供=OSEN)