KFAは先月1月20日、韓国代表戦力強化委員会の委員に計6人を選任した。いずれもプロ、大学の舞台で活躍する現職がある人々で、一部は忙しい日程のため委員職を断ったが、KFAの説得で提案を受け入れたという。
ただ、KFAはその委員たちを脇役にした.。
今回の人事を主導したトーマス・ミュラー戦力強化委員長とファンボ・グァングァン技術本部長は、委員らに監督候補の対面、交渉過程などについては一切言及しなかった。
さらにクリンスマン監督選任のニュースを発表当日に通報した後、30分後に世間に知らせた。今回の人事に委員たちの意見と考えは反映されなかったわけだ。
どのような監督が必要なのか、どのような資質を備えるべきかなど、重要な議論は全く行われなかった。
このため、一部の委員はKFAに露骨な不満を示したという。弱り目にたたり目で、同日の会議に出席しなかった委員もいたという。委員会は事実上麻痺した状態だが、KFAは委員会が運営しているように見せる「コスプレ」をしたわけだ。
KFA首脳部に対するサッカー界の視線は冷ややかだ。委員会の事情をよく知るある関係者は「委員たちは事実上、自分たちを付き添い人だと考えている」として「やるべきことが多い人々を委員として迎え入れたのに、今回のように行動するのが常識的なことかと思う」と批判した。
また、別のサッカー関係者も「当初からKFAは委員らと緊密に協議し、候補を決める意志がなかったようだ。そもそもチョン・モンギュKFA会長をはじめ、一部の幹部だけの意見で人事を断行する考えではなかったか。それでも忙しい委員たちは迎え入れ、システムをよく維持しているように見せるコスプレをしたのと変わらない。否定的な世論の盾に委員たちを利用したようだ。最初から極度に制限的な役割を果たすことになると言質していたら、あんなに否定的に反応しなかっただろう」と付け加えた。
KFAは過去に、少数の考えをもとに監督を選任することがどれほど危険なことかを直接的に経験したことがある。
それを補完するため、委員会の機能を強化し、集団知性の力を発揮して試行錯誤を減らす方向に旋回したはずだった。
ところがKFAは何がより合理的な方式なのかを知りながらも、より原始的でリスクの大きい方向にUターンをした。
一体どんな哲学と方向性をもって韓国サッカーを率いる組織なのか分からない。
チョン会長は最近、国際サッカー連盟(FIFA)評議会委員選挙で苦杯をなめた。
格下と見てきた東南アジア諸国にも押される形で外交惨事を経験し、KFAという組織を率いるリーダーになるには足りないという批判を、サッカー界から受けている。チョン会長を補佐する首脳部の能力も引き続き疑われている。
今回の選任過程を通じて、チョン会長とKFA首脳部は再びサッカー界の民心を失った。これはクリンスマン監督が成功するかどうかとは関係がない。
拙速行政が結果によって正当化されるわけではないからだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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