アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の「秋春制移行」によるバタフライ効果が表れている。
ACLは来季から秋春制へと切り替わる。従来は1~2月開始の日程だったのが9月開始に変更となったのだ。
ただ、こうした日程の変動によって、国際サッカー連盟(FIFA)が主管するクラブワールドカップのアジア枠が確定しない事態となった。
クラブワールドカップは来年2月にアフリカのモロッコで開催される。前回大会の優勝チームは欧州王者のチェルシー(イングランド)だった。
今回の2022年大会には、南米王者のフラメンゴ(ブラジル)をはじめ欧州王者のレアル・マドリード(スペイン)、開催国枠のウィダード・カサブランカ(モロッコ)など全7チームが参加する予定だ。
そのなかで、アジア枠からはACL王者が出場できる予定だったが、“事実上の不可能”となる事態になった。
というのも、東地区からは浦和レッズ(日本)が決勝に進出しているが、西地区は決勝進出チームはおろかまだ決勝トーナメントも始まっていない。来年2月20日から西地区決勝Tが始まり、肝心の決勝は5月に行われる。そこでようやくACL優勝チームが決定する。
そのため、来年2月に行われるクラブワールドカップには、アジア代表として出場するチームが決まっていない。
アジアサッカー連盟(AFC)は最近、クラブワールドカップ参加国に関する会議を開いた。
そこで最初に出た案は、2021年ACL王者のアル・ヒラル(サウジアラビア)に再びクラブW杯出場の権限を与えることだった。しかし、アル・ヒラルに無条件で権限を付与することはできないという意見も提起されている。
そこで登場したのが、2021年ACLでアル・ヒラルに敗れ準優勝に終わった浦項(ポハン)スティーラースのクラブワールドカップ出場の可能性だ。同年のACL決勝に進んだアル・ヒラルと浦項のどちらかを推薦する代案も提示されている。
また、3つ目の案として、現在のACLで東地区から決勝に進んでいる浦和に出場権を与えるという選択肢も残っている。
浦項は最後にACLで優勝した2009年の一度だけ、クラブワールドカップに出場した経験がある。当時は準々決勝でアフリカ王者マゼンベ(コンゴ)に勝利すると、準決勝では南米王者エストゥディアンス(アルゼンチン)に敗れるも、3位決定戦で北中米王者アトランテ(メキシコ)に勝利し、3位で大会を終えた。
クラブワールドカップに出場できれば、例え最下位で終了しても50万ドル(日本円=約6817万円)水準の賞金を受け取ることができる。
もっとも、サッカー界の複数関係者に話を聞く限りでは、浦項のクラブワールドカップ出場の可能性はほかの案と比べて高くはない。とはいえ、まだ確定案が出ていないのも確かだ。
依然として可能性は低いが、浦項にはクラブワールドカップ出場のチャンスがまだ残されている。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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