MLBインターナショナルのジョン・スモール首席副社長が明らかにした通り「現実的な側面から見ると、韓国ファンが享受しなければならない高いレベルの試合を用意するのは難しいと判断」したためだ。
高いレベルの試合とは、最高の選手でチームを編成することだ。 KBOはすでに最高の選手たちをエントリーしている。韓国シリーズを戦わなければならないSSGランダースとキウム・ヒーローズ所属の選手も、ワールドツアー出場選手リストに含まれた。KBOとしては最善の努力をしたわけだ。
一方のMLBは選手構成に困難が生じつつあった。今シーズン後に引退したアルバート・プホルスまで個人的な理由で不参加を通知していたほどで、特に投手陣はMLBマニアの間でも議論になるほど曖昧な選手たちで構成されていた。
MLB最高レベルの投手を相手にすることで、WBC水準を事前に点検することを唯一の期待と考えていたKBOも、失望を隠せなかったほどだ。
選手構成が難航しているため、プロモーター側もプロモーション費用を支給するのが気に入らなかった。損害賠償問題が起きることは火を見るよりも明らかだっただけに、プロモーション費用を支払うことができないという状態だった。 MLB側もその可能性を認め、最初に提示した金額の25%レベルまでに下げたが、協議に至らなかったと伝わっている。
MLB側は契約上で帰責事由が発生したので再考する名分ができ、大会取り消しという強硬策を取った。MLB側の安逸さとプロモーター側の経験不足が、最悪のシナジー効果を生み出してしまったわけだ。プロモーターを選択した側もMLBであるため、帰責比重をあえて計算するとMLB側がより重い責任を持っていると言えるだろう。
しかし、一連の過程でKBOとKBOリーガー、韓国の野球ファンたちに対する礼儀は見当たらない。MLBが徹底したビジネス関係で業務を処理するということは知っているが、韓米プロ野球機構のコミッショナー間の約束を、一方的に破棄するのは外交的にも非常に無礼な処置だ。
そもそもKBOは最初から難航を予見し、大会開催には否定的なスタンスだった。MLB側の積極的な攻勢に渋々承諾したが、不安感が消えなかったのも事実だ。
MLB側は納得できる説明は省略したまま「持続的な協力を通じて近いうちに韓国で試合が行われることを期待する」という厚かましい立場だけを残した。
レギュラーシーズン終了後、大会出場のために休暇も返上したまま3週間ほど練習に邁進した選手たちの汗に値をつけることができない。
軽々と約束を破棄するMLB機構と持続的な協力が可能か疑問だ。MLBなら何でもできると勘違いしているMLB事務局の傲慢さと大会開催専門家がひとりもいないままMLB事務局の口先だけ信じていたプロモーターの欲が起こした一種の詐欺劇に、韓国野球が振り回された。