ファン・ソンホン監督率いるU-23韓国代表が、“二重苦”を抱えてU-23アジアカップに出場する。
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来る6月1日から19日にかけてウズベキスタンで開催されるU-23アジアカップ。U-23韓国代表は前回の2020年大会で優勝したディフェンディングチャンピオンとして、2連覇がかかった大会を控えている。
ただ、そんな国際大会に、U-23韓国代表は“二重苦”を強いられたまま臨まなければならない。
まず、パウロ・ベント監督が率いるA代表に選ばれた同世代の選手は、U-23アジアカップに出場することができない。
A代表はU-23アジアカップが開催される同期間、国内で4度の国際親善試合を開催する予定だ。現時点までにブラジル、チリ、パラグアイとの対戦が決まっている。
来る11月のカタールW杯本大会に先立ち、A代表は残り少ない国際Aマッチ期間を積極的に活用しようとしている。特に今回は、本大会グループステージで同組に入った“南米の強豪”ウルグアイを想定し、同じ南米勢と3試合も戦えるだけに、絶好の機会と言える。
このため、ファン・ソンホン監督も「ベント監督と議論した」と、A代表への理解を示した。
A代表のほか、Kリーグの状況も考慮された。
史上最速となる2月に開幕した2022シーズンのKリーグは、11月開催のW杯を考慮され、例年になくタイトなスケジュールで行われている。5月だけ見ても、各チームはリーグ戦を計6試合もこなさなければならない。平日開催の試合も当然のように組まれている。
「リーグ日程のため、1チームにつき2人以上招集しないことを原則とした」と明らかにしたのも、Kリーグ各クラブの状況を考慮しての措置だ。
U-23韓国代表の国内組は“第1陣”と“第2陣”に分かれ、それぞれ別日にウズベキスタンへ出国する。“第1陣”は来る23日、“第2陣”は30日の出国を予定している。“第2陣”には各クラブで主力を張る選手が含まれると予想されている。
U-23韓国代表のグループステージ初戦は6月2日のマレーシア戦だ。以降、5日にベトナム、8日にタイと対戦し、決勝トーナメント進出後も中2~3日間隔で試合を消化しなければならない。
このため、“第2陣”はコンディション調整や時差適応の問題により、6月2日の初戦に出場できない可能性が高い。
そのほか、MFイ・ガンイン(21、マジョルカ)、MFチョン・サンビン(20、グラスホッパー)、MFホン・ヒョンソク(22、LASKリンツ)、FWオ・セフン(23、清水エスパルス)の海外組4人は、ウズベキスタン現地で代表に合流する予定だ。
具体的な合流日は確定していないが、欧州でプレーするイ・ガンインら3人は5月21~23日にリーグ戦の日程が終了するため、国内組の“第2陣”よりも早く合流できる可能性がある。
つまり、U-23韓国代表は“完全体”を組めない状態で大会本番を迎える見通しだ。実戦を戦いながらチームの組織力を引き上げ、メンバー構成の最適解を見つけなければならない。
これにはファン・ソンホン監督も、「最も憂慮される部分だ。公式の大会を控えてこんなにも緊迫した状態で動くのは初めてだ」と驚きを示した。
昨夏の東京五輪までチームを率いたキム・ハクボム前監督の後任として、2024年パリ五輪を目指すU-23韓国代表の新指揮官に就任したファン・ソンホン監督。
今度のU-23アジアカップが就任後初の国際大会出場となるが、テストから結果まですべてを一度に解決しなければならない課題を抱えることになった。
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