勝ち負けにだけ執着する大人たちの姿は、子どもたちの目にどのように映ったのだろうか。
こどもの日だった5月5日は、お隣韓国も同名の祝日で休日だった。
同日行われた韓国Kリーグ1(1部)水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスと蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)FCの一戦には、1万1418人の観客が集まった。
ホームの水原は、こどもの日特別イベントとして選手の紹介を子どもたちに任せ、子どもたちが描いた選手の絵が誰なのかを当てるイベントは大きな反響を得た。子どもたちに豊富な商品も提供し、雰囲気を盛り上げていた。
そして肝心の試合だが、蔚山は前半にMFキム・ソンジュン(33)が退場になり、劣勢に置かれた。また、途中投入されたDFイム・ジョンウン(31)は交代早々に負傷し、再び交代することに。
結局、水原のボスニア・ヘルツェゴビナ人MFエルヴィス・サリッチ(32)に決勝ゴールを許した蔚山は、今シーズン初の敗北を喫することとなった。
しかし、試合経過やこどもの日イベントよりも注目を集めたのが、後半29分にピッチ上で起こった出来事だ。
蔚山の韓国代表DFのキム・テファン(32)が、交代で入った水原のFWオ・ヒョンギュ(21)を阻止する過程で、両選手の腕がもつれた。オ・ヒョンギュは強く腕を振り切ると、キム・テファンはピッチに倒れた。
この一連のプレーで怒ったキム・テファンは、胸でオ・ヒョンギュを押して抗議。蔚山のGKチョ・ヒョヌも介入し、オ・ヒョンギュを押していた。
そしてグラウンドに座り込んだオ・ヒョンギュは「何?」と答え、この態度に怒ったキム・テファンがオ・ヒョンギュに飛びかかる事態に。水原のヨム・ギフン(38)とチョン・スンウォン(25)などが駆けつけ、2人の選手をやっと止め、収束を迎えた。
この一連の流れで主審は、キム・テファンとオ・ヒョンギュにイエローカードを与えた。
冷酷なプロの世界で勝負欲と結果はもちろん重要だ。しかし、その過程も正当かつクリーンでなければならない。スポーツで、どんな手段を使ってでも結果だけ勝ち取ればいいという結果至上主義は危険だ。
FIFAも常にフェアプレーを強調しているが、同日の2人はスタジアムを訪れた子どもたちの模範にはなれなかったようだ。
(記事提供=OSEN)
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