辛うじて敗戦を避けた試合だった。
全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースは4月25日、ベトナム・ホーチミンのトンニャット・スタジアムで行われたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループH第4節でホアンアイン・ザライFC(ベトナム)と1-1で引き分けた。
自国開催で地の利があるホアンアイン・ザライ相手に厳しい試合を繰り広げた末、勝ち点1獲得に満足しなければならなかった。
同節では横浜F・マリノス(日本)がシドニーFC(オーストラリア)に3-0で勝利。これにより、横浜FMが3勝1敗の勝ち点9で首位に浮上し、全北現代は2勝2分の勝ち点8で2位に転落した。
引き分けたといっても内容は敗北に近かった。
全北現代は前半17分、コーナーキックからMFムン・ソンミン(29)がヘディングで2戦連発となるゴールを決め、早々にリードを得た。
後半ロスタイムに決勝点が生まれた前節と比べ、比較的容易に試合を進めて得点へとつなげたが、その後のゲームコントロールが不十分だった。得点前までは全北現代が主導権を握っていたにもかかわらず、1-0となって以降は守勢に追い込まれてしまった。
前後半の合計シュート数で9本対16本とホアンアイン・ザライに大きく上回られた全北現代は、相手の機動力ある攻撃に苦しんだ。特に、後半は連戦の疲労から選手の集中力が顕著に下がり、簡単なボールタッチミスを連発。中盤やサイドで相手の攻撃をシャットアウトできず、あわや失点というピンチを何度も迎えた。
ブラジル人FWグスタヴォ(28)、日本人MF邦本宜裕(24)ら攻撃陣の攻撃完成度も落ち、ムン・ソンミンの先制点以外に枠内シュートは“ゼロ”という結果に終わった。
試合後、キム・サンシク監督は「引き分けに終わって残念だ。3日間隔で試合を戦うなかの4戦目となったが、回復が完璧にできず体力的に厳しい試合となった。先制ゴールを守れなかった点が残念であり、次のシドニーFC戦に向けてしっかり準備しなければならない」と振り返り、引き分けの要因を次のように語った。
「先制ゴールが入るまでの試合内容は良かった。しかしその後、先制ゴールを守るために消極的で萎縮したプレーに徹したことが残念だった」
「ホアンアインの守備が堅く、カウンター中心の攻撃を展開すると予想していたし、それに対処するための準備もしていた。しかし、体力的な部分で克服することができず、ミスをたくさんしてしまった。以前にも話したが、ホアンアインは戦術的にも体力的にもほかのアジアチームと対等にあり、ホームの利点まで兼ね備えている。難しい試合だった」
痛恨のドローに終わった全北現代は、来る28日の第5節でシドニーFCと対戦する。現在、2分2敗(勝ち点2)の未勝利でグループ最下位に沈む相手ではあるが、全北現代は初戦でシドニーFCと0-0で引き分けており、ここでも勝利を逃せばグループ突破に黄信号が灯る。
5月1日の最終節に控える横浜FMとの再戦に向けても、シドニーFC戦は是が非でも勝ち点3を獲得しなければならない。
■【一問一答】全北現代、横浜FM戦勝利は「選手の“勝ちたい”意志が強かった」
前へ
次へ