結果も過程も、満足できる部分は一つもなかった。韓国代表率いるポルトガル人指揮官のパウロ・ベント監督が、記者会見で選手のパフォーマンスに苦言を呈した。
韓国は3月29日(日本時間)、アウェーのアール・マクトゥーム・スタジアムで行われたカタールW杯アジア最終予選グループA第10戦のUAE代表戦で0-1と敗れた。
前後半通じてUAEのプレスに苦しんだ。2列に並んだUAEの堅い守備を破ることができないどころか、自分たちでパスミスを連発した。
UAEは韓国のミスや隙を突いて果敢に攻め込んだ。結局、後半8分にスローインからDFラインの裏に抜け出され、最後はGKとの1対1を冷静に決められた。
UAE戦までに9試合7勝2分と無敗を貫いた韓国は、2010年南アフリカW杯以来となる最終予選無敗通過を夢見たが、最終戦での初黒星ですべてが水の泡になった。これでイラン代表に再び首位を奪われ、2位で最終予選を通過することになった。
一方、ホームで韓国に勝利したUAEは3位に入り、別組のオーストラリア代表と激突するプレーオフへと進出することになった。
ベント監督は試合後の記者会見で、「今日の試合は明確に我々が良くなかった。敗北は妥当な結果だ」と認めると、「自分たちの目標(プレーオフ進出)を成し遂げたUAEを祝福したい」と、相手の勝利を称えた。
韓国はこの日、前後半で計16回のコーナーキックの機会を迎えた。後半33分からは5回連続でコーナーキックを蹴ったが、得点が生まれることはなかった。
ただ、ベント監督は「セットプレーは最後の心配事だ」と、セットプレー改善が最優先ではないことを強調。「我々は最終予選8試合で得点した。無得点は(イラク代表と0-0で引き分けた)初戦と今日の試合だけだ。得点のためにやるべきほかのことへの心配が多い」と、解決すべき課題が多いことを伝えた。
その最大の課題について、ベント監督は“メンタル”を挙げた。「今日の試合は我々がこれまで見せてきた姿ではなかった。最悪のパフォーマンスだ。結果だけでなく態度にも失望した」と選手を叱咤すると、次のように続けた。
「相手は目標達成(プレーオフ進出)のためにすべてをかけて試合に臨んだが、我々にはそれほどの野望、モチベーションがなかった。相手にとっては正当な勝利だ」
「(今日の敗戦は)私にも責任があるが、選手たちも責任を感じてUAE戦を振り返らなければならない。これからの戦いを今日のようにしたいのか、(ホームで2-0と勝利した)5日前のイラン代表戦のようにしたいのか、考える必要がある」
「今日の戦いぶりは正常ではなかった。これは一種の“シグナル”だろう。この意味をよく理解することができなければ、今後再び問題が生じる可能性がある」
別組の日本代表は同日、ホームで行われたベトナム代表戦で前回から先発を9人入れ替えるも、ベトナムに先制を許すなど苦戦を強いられ、1-1のドロー決着に終わった。
一方、韓国はGKをキム・スンギュ(31、柏レイソル)からチョ・ヒョヌ(30、蔚山現代)に変更したのみで、フィールドプレーヤー10人は2試合連続の先発出場となった。対照的な采配を見せた韓国だが、最終的には日本と同じくほろ苦い結果に終わった。
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